5.憧れ=恋心
「あーーーーあ、今頃セナは告白されてるんだろーなぁー」
あたしの名前はルーシィ。ルーシィ・ハートフィリア。
今は一人で下校中。
セナは「お礼をいいにいく」って言ってたけど、たぶん告白だろうなぁ。
セナは文武両道で美人で、性格はお嬢様みたいだけど、サバサバしてて、ホントは優しくて、すっごくいい子。あたしの1番の親友なんだ。
「あたしもセナだったら、アノ人ともっと話したりできたんだろうなぁ」
あたしには好きな人がいる。1こ上の先輩でセナのいとこ。
しかも家が隣で、窓から侵入とかもできるらしい(少女漫画みたい・・)
あたしも話したことはあるんだけどなぁ。
あーーーーあ、あたしもセナみたいに美人になりたい・・・
「お、かわいいねぇ。君1人?」
「え?」
「俺たちと遊ばねぇ?」
目の前には男の人が2人。
な、ナンパ!?あたしセナといるときいがいされたことないんだけどっ!!
「えっと・・・あたし急いでるんで・・・」
「そんなこと言わずにさぁ、遊ぼうぜ?」
2人のうち1人が手を握ってきた。
い、いや!いつもならセナが殴ったり蹴ったりして追っ払ってくれるのに・・・
あたし一人じゃなんにもできないよ・・・・
「さぁ、行こうぜ」
誰か・・・助けてっ!!
「あ、わりぃ!待たせたか?」
「あ?」
「・・・え?」
目の前には妖精学園の制服をきた男の人が1人。
あたしにはすぐに誰だかわかった。
「なんだてめぇ」
「すみません、コイツ俺の彼女なんです。だから返してもらっていいですか」
「ッチ、彼氏いんのかよ」
「先に言えって」
そう言って男たちはその場からさって行った。
あたしは目の前にいる男の人……にお礼をいう。
「助けてくれてありがとうございました。グレイ先輩」
「いやいや。けがはねぇか?」
目の前にはニコリと笑ったグレイ先輩が立っていた。
グレイ先輩はあたしの好きな人。
サッカー部のエースで、顔もかっこいいし優しいし。本当に大好き。
セナのいとこだから、関わる機会は沢山ある。だから、グレイ先輩はあたしのことを知っている。
「よかったら家までおくってってやろうか?」
「えっ!?」
グレイ先輩はいきなりそういうと、「まぁあぶねぇからおくってくけど」という。
あたしはグレイ先輩のそういうところが好きだ。
好きすぎて、想いを伝えたくもなるけど、勇気がでないんだ。
いつか、伝えられる日がくるかな……