3.意外と、


「自己紹介をしてくださーい」


・・・・・・。
正直、私は運が悪いと思っていたけど、ここまで悪いとは思ってなかった。
なんで私がナツ・ドラグニルの隣なわけ!?
どんな決め方したのよミラジェーン先生!!



「元1-Aのルーシィ・ハートフィリアです。皆と仲良く、楽しくやっていきたいと思ってます!よろしく!」



私の前の席だったルーシィの自己紹介が終わる。
次は私だ。やばい、何も考えてない。



「次はフォールドさん、お願いします」



先生に名前を呼ばれ、私は席を立つ。
教室にいる皆が私を見てる。
もちろん、横のヤツも。



「元1-Aのセナ・フォールドです。よろしくお願いします。」



とりあえず基本の言葉を搾り出すと、私は席に座る。
さぁ、次はアイツの番だ。
あんなチャラいヤツがいったいどんな自己紹介をするのだろうか。

アイツはゆっくりとダルそうに席を立つ。



(!?)



その時、一瞬見えた顔を見て、私は驚いた。



(け、結構、イケメンじゃない)



実際、ナツ・ドラグニルとはしゃべったこともないしよく顔も見たことがない。
毛嫌いしてたのはただ単にチャラい人が嫌いなだけ。

一瞬でもときめいた私を今全力で殺したい。
前言撤回よ。私は嫌いなの!



「元1-Dのナツ・ドラグニル・・・です。よろしく」



アイツはそれだけ言って席に座った。

・・・あれ?
もっと「元気にいこうぜ!!」とか「マジだりぃ!」とか言うかと思ったのに・・・
ぜんぜんまじめじゃん。警護もつかってるし。
どういう心境の変化かしら。明日嵐にでもなるんじゃない?

私はそんな疑問をかかえながらちらりとアイツを見る。

すると



(あっ)



びっくり。
目が思いっきりあってしまった。
アイツはじぃっと私を見てる。私はその視線に耐え切れず思わず目をそらした。

ヤバイヤバイ!!
もし絡まれたりしたらどうすんのよ!!



「・・・・おい」
「!?」




やばいって!!
なんか声かけてきたし!!



「・・・先生がお前をメッチャ見てるぜ」

「え!?」



私はバッと先生を見る。
すると先生はニコリと微笑んだ。



「フォールドさん、ドラグニルくん、人の自己紹介中に何してるんですかぁ?廊下に立ってなさーい!」

「えぇっ!?」

「俺もかよ!?」



何故廊下に立たなきゃいけないの!?
そのくらいで!?先生厳しすぎ!!
クラスのみんなは私達の方を見てるし!!



「あれ?セナ。いつからドラグニルとラブラ・・・」

「ちがう!!」



おまけにルーシィはうるさいし!!!



「ほら!はやく廊下に・・・」

「まってくれ」



声が隣から聞こえる。
アイツは席を立った。



「俺がフォールドに喋りかけたんだ。だからコイツは悪くねぇ。立つのは俺一人で十分だろ」

「えっ・・・」

「そっかぁ・・・じゃあドラグニルくんは廊下に立ってきなさい」



何よ・・・

アイツは黙って廊下に向かった。
私の前で言葉は放ったけどね。



(優等生が立たなくて、よかったな)



何よアイツ。

私をかばったっていうの?



アイツはニヤリと笑いながら廊下でた。



















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