全身麻酔をかけられている最中は、どうやら夢を見るらしい。
(目が覚めたらそれがどんな夢だったかなんて、一摘みも覚えていなかったのだけれど、目が覚めた時に「ああ、夢を見ていたな」と確かにそう感じた)
眠剤に日々の睡眠を頼り切っている私は、深く眠れないまま微睡む。外から聞こえる音を聞く限り、終電はまだ出ていない。
違和感。圧迫感。酸素マスク。
身体は動かせない。
薄暗い病室。警告音。響くナースコール。
ドレーン。カテーテル。
消毒の匂い。どうしようもない渇き。
ぼんやりとした意識の中で、何を考え続けることもなく、屍のようにただただ横たわる。
(電車の音が途絶えた。)
夜は、長い。
誰かが鳴らしたナースコールと、看護師たちの足音、それと、外を走る車の音だけが、私の頭に響いていた。