大人になったふりをして、絶望をおしこめた箱庭。そこで立ち止まっている理由。
食べ物の話、インテリアの話、傷のない腕の話。あなたとの話は中身がないから退屈しない。観覧車のような世界が、音をたてて空回りしつづける。
好きとか嫌いとか、そういう話。大切とか邪魔とか、そういう話。アイロンのように残酷な言葉を投げつける。誰かに残っているのは、火傷のように変形した正気。
つないだ手を振り回す、そんな心は嫌い。なにもかも、自分が嫌い。好きとか嫌いとか、そういう話。大切でも邪魔とか、そういう話。
言葉の中に、本当があるかわからないのに嘘は必ずあるから、私のことを大切に想って欲しい。おやすみって言って、未来から逃げ出すように、優しい死に方をしたい。
明日の明日、そのまた明日。明日までに変われない私が、いつになったら変われるっていうんだろう。花と一緒に、夏まで腐ってしまいそうだね。おやすみ。