慰めたって何も変わらないと窓を開けて、惰性で生きる。息を吸い込めば空気は生温く、そのくせ洗濯物は乾ききっておらず、うんざりしたまま珈琲を一杯とバターサブレを。部屋に置き去りにされたビデオカメラや機材、下着と、洋服たち。匂いを一摘み抱きしめて、次の休みを待っている。一週間が過ぎていくのを最近は早く感じる。
ただこなしていくだけの、こなしていっているだけの私の日々を素晴らしいと言う彼の目を見る事が出来なかった。胸に顔を埋めて、「香水つけてないのに、いつも甘い匂いがする」といい、そのまま黙り込んでしまった、どうしてそうやって。辛い悲しい苦しいそんなの名前がついてるくらいなんだから当たり前の感情だよどうして理由にして誰かに甘えようとする?誰かに甘える為に名前を付けたのだろうか。誰かがそれを理由にして私に甘えてきたって受け止められる気がしない、拒んでしまえば薄情だと言われるのだろうか。甘えられている?わからない。何も返してあげられない、何も出来ない、ついきつい口調であたってしまっても相変わらず穏やかに言葉を返してくれる人に情けなく悔しく、不甲斐なさを感じるだけだよ。一日中ごめんなさいをいっても足りないんだったっけ、言い合いたくはない、傷は舐め合いたくない。気が向いたらにしよう、待ってなんかいなくていいよ、私は待たないから。