テンションハイな主人公注意。

「伊藤開司さん!私と結婚前提でお付き合いください!」
「・・・・は?」
コンビニバイトしていた開司のレジにきた
栗色の髪の毛に茶色いでっかい瞳の女性がたっていた。
また人形のように綺麗に整えられている顔をしていて、
今日バイトの後輩の佐原がいなくてほっとしていたというのに・・・・
その女がレジに来たのにも関わらず、買い物篭を
持っていないと同時に商品すらもっていない。
「?」
不思議に思っていると彼女がこういったのだ。
「結婚前提で付き合って下さい。」と・・・
今、お客が誰もいなくてほっとするしか、なかった。



「うわー、これが俗言う肉まんですね!」
バイトが上がるまでとりあえず待っててくれ
と伊藤開司は彼女に言うと真っ赤な顔と
笑顔をこぼして、出て行ったのだ。
待っててくれ、といったのに・・・やっぱり若い者の
嫌がらせなのかと妙に疲れた溜息をこぼし
とりあえずバイトが終わり、出ようとした時だ。


・・・・・外で、先ほどの女が待っていた。
「(普通中で待つだろう・・・!?)」
驚いた開司はただ言葉を失いつつも
とりあえず、というようにレジで肉まんを一つ
買い、知らぬ女性に声をかけたのだ。

肉まんを手にした彼女の手は少し赤くて
それでも嫌な顔一つしないで待っていた。
変に緊張している自分がいて、少し焦る。
「・・・どうして、外で待ってたんだよ。」
「開司さんの邪魔になったらいやですから。」
「(・・・・変なヤツ。)ほら、さっさと食っちまえよ。」
その肉まん。と渡した肉まんを開司は見て言う。
彼女の方は、小首を傾げて隣にいる開司をみた。・・・不思議な表情を浮かべて・・・。
「・・・開司さんの肉まんは?」
「給料日前で少ねぇから。」
と意地を張ってみるが、やはり貧乏にとっては
こんな小さな肉まんでもでかい出費である。
そんな彼女が手を差し出してきた、肉まん半分割ってありにこりと笑った。
「じゃあ、半分こにしましょう。」
そしたら開司さんも食べられますよね?
という名前も知らないこんな美人な女に笑顔で言われて真っ赤にならないはずがない。
下を向いて、オレはコンビニの肉まんを受け取った。

「アンタ、名前は?」
「・・・・みつき、赤坂みつきと申します。開司さん。」
そういって彼女、みつきとオレは半分に分かれた安い肉まんを食べた。
12月の初めの日。







2011.12.8
ハイテンションな主人公を書きたかったのである。


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