*唐突サマーの主人公。





キラキラと光るイルミネーション
世間は族に言うクリスマスであり、行き先どこも
が無駄に目に入る日に、私は塾の帰りである。
結局高校へいっても、勉強だけは!と母に強く言われて渋々いっていて、その帰りだ。
「(せっかく友達とパーティーの約束がきたのに)」
最悪のタイミングである。





寒くて、同時に5時間も勉強していて脳だけが機能していないようだった。
ヒトにはぶつかるし、友達からのメールは入ってない。
ましてや母からの連絡すらない。
「(世間はクリスマスなのにな・・・)」
連絡がないということはクリスマスなんて
忘れているんだろうな、なんて思いながらも小さなため息が漏れる。


近くのファーストフードをみて
やけ食いでもして帰ろうかな、なんて思った時
ふと目にとまった場所がある。
「・・・プラネタリウム。」

時間は22時、すでに見に行ったであろう
恋人たちが出てきていて、看板を見れば
あと5分後に最後の上映が始まるらしい・・・。
久々に見たいみたいかも・・・なんて思っていたら
トントン、と肩をたたかれて、後ろを見たら同級生の一人が立っていいた。
それが女友達だったらどんなによかったのだろう。


夏のアレ以来、彼とよく目があっていたが文化祭とかが忙しくて
全然会えずにいたし、声もかけてこなかった。・・・そんな、彼がなぜにいる。


「うっ宇海くん!?」
「やっぱりみつきさんだ。見に来たの?」
「・・・え?」
「プラネタリウム。」
「え・・・別に私は、そういう意味で来たんじゃないし。」
「どうせならみつきさんも入らない?お金オレが出すよ。」
「え!」
お金くらい私もあるよ!って言おうとした言葉は彼のお財布を出され、
2人分のチケットを素早く零が手にしてから言えなくなってしまった。
そうされてしまった以上は彼に付いていくしかなく
指定されたイスに腰をかけた。
もうすぐ開演というのに、まばらにしか人が入っていなく
変に意識してしまいそうでみつきは異様に意識しはじめてしまっていた。
思えば、夏以来・・・宇海零と2人きりになるのは久々だ。


「…みつきさんは、塾の帰り?」
「うん、学校いっても夏まではなんとか自力で行けたけどちょっと難しくなっちゃって・・・」
結局は夏まではなんとかなったが、やっぱりレベルが違うのを
見せ付けられてしまったようでみつきは恥ずかしいのか、鼻の天辺を指でこすった。
恥ずかしい・・・きっと馬鹿にされるのだろうか・・・。
でも、零はそんな人間じゃない事はクラスにいるみつきが一番良くわかっている。

ジジジー・・・っとベル音が聞こえる・・・そろそろ始まるのだろうか。
その時に隣にいる零がみつきの方を向いたのだ。
少しだけみつきは驚いて身構えた表情になっているのが、本人でさえもわかる。


「なら、たまにオレが教えてあげるよ?」
「・・・へ?」
「クリスマスプレゼントとして。」
「・・・あ、ありがと。」
彼の笑顔に釣られて笑った・・・みつきは不意打ちだなーなんて思いながらも
この後零と一緒に御礼も兼ねてファーストフードでも話をしようかな、なんて
考えながら・・・プラネタリウムの星をみつきは見上げていた。







君がくれたもの。








「みつきさんってさ、オレの事名前で呼ばないの?」
「・・・えぇ!?なんで!?」
プラネタリウムの上映が終った後、やっぱり星はいいなーと
感動に浸りながらも隣に一緒に歩いている宇海零はそんな事を言ってきた。
さっきの星の無限と偉大さ、美しさに感動をしていたみつきは、その余韻すらも
吹っ飛んでしまったようで、吃驚して声が裏返ってしまったのだ。
足も止まり、隣に居る零をみた。
「なんでって、みつきさん前からオレだけ名前で呼んでないよね?」
なんで?と不思議な顔と少しだけ寂しそうな零の表情に言葉を失った。
夏の一件以来、確かに友達は少しだけれども増えて名前で呼ぶヒトも
(自分の中じゃ)増えていったのは確かだが
「(宇海くんをむしろ直接名前呼びできる女子ってどの位いるの・・・)」
本人は気が付いているのだろうか、自分がどれほどすごい人間なのか。
安易に宇海 零に近づいてはいけない・・・入学式の頃からずっと
彼をみて思っていたことだった。

「オレがクリスマスのプレゼントで欲しいのは―――」

みつきさんがオレを名前で呼んでくれること。
寒い冬のクリスマス、恋人でもない宇海零と一緒だったみつきはその言葉を受けて
顔が真っ赤になってへたりと力が抜けたかのように地べたに座りこんで
しまった。彼は少し驚いて下を向いてくれたが、そんな綺麗な目で
こちらを見ないで欲しいと、言葉に出せないで巻いていた
マフラーで顔を少しだけ覆った。

彼からくれたのは、一緒に勉強をしてくれるという
きっと色んな人たちから殺意な瞳を向けられることだろうが
それでも、嬉しいのに対して
彼の要望は、自分を名前で呼んで欲しいということ。
簡単なことなはずなのに・・・彼の名前を呼ぼうをしようとするが
寒いのか、言葉が喉でつまる。

冷たい地面に座りこんでしまったみつきに手を差し伸べてきた。
彼の手を握ると、とても暖かくて・・・さっきよりも言葉が
言えそうになった・・・言える・・・

「・・・ぜっ・・・」
「みつきさん!大丈・・・」
「ぜっ・・・・ぜっ・・・零くん!!」

まるで怒っている風に聞こえ、本人もこんなに大声になるとは
思わなく少しマスラーで覆っていた表情が露わになっていた。
その表情は真っ赤で、必死な表情に零の表情も点となった。
「あ、ごめ・・・」
「・・・行こうみつきさん。」
「・・・どっどこへ!?」
「ファミレス、冬休みいつ会えるか聞きたいから」

先ほどよりも、嬉しい表情をしているとおもったのは・・・
きっと、間違いじゃない。
最悪だったクリスマスが、和らいだ・・・高校生の冬。








2011.12.25


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