*ちょっと自慰シーン有。ほんのちょっとだよ!
*主人公、高校入学前のお話






中学生までは銀さんが借りていたアパートに
一緒に住んでいたのだが安田さんやらが「一人暮らししないのか?」
と言われたので急にだが引越しをした。
1LDKの高校生が住むにしては十分すぎる広さ。
自分の部屋にはTVのブラウン管・それに衣類を入れるクローゼット
・そしてシングルベッド一つ・そして本棚。
シンプルすぎる気がすると巽さんは多分自分が好きである
アーティストのポスターをくれて大分高校生らしい部屋になってしまったようだ。

「お前がいなくなるのも少し寂しい気がするな。」
「ってか俺ここまでして貰っていいんですかね・・・」
「いいんだよ。その分はいつか俺らの仕事に関わった時にでも
返して貰うさ。」
銀さんがそういった言葉は少しだけくすぐったかった。
嬉しくて、でも少し寂しい。
平井銀二に認められている、ただそれだけで優太郎は
生きているのである。

「銀さんも身体には気をつけて。俺がいなくなってから
寂しくならないで下さいよ。」
「いってろ。優太郎も俺が居なくなったからって
学校サボるんじゃねぇぞ。」
学校をさぼるなんて、優太郎には考えられないことなのだが・・・
まるで親子関係の対話だった。
笑って優太郎の髪の毛をくしゃくしゃと撫でた。
乱暴だが、だけれども優しい手に優太郎の顔はただただ熱くなる。


本当は、寂しい・・・
ずっといたアパートから出るのは少し、寂しい。
また一緒に銀二と暮らせるのか、と言われればそれは
確証なんてないものであり、このまま捨てられるのかもしれない。
それは絶対イヤ。俺はまだ残したことが沢山ありすぎるのだ。



優太郎が一人暮らしデビューとまたまた安田・巽・船田・銀二が
集まり祝ってくれた。
もちろんお酒を浴びるように飲み
彼らが帰ったのは夜中の3時過ぎくらいだった。
「じゃあ安田さん連れて帰ってくださいよ。」
「おぉ、優太郎頑張れよ!」
「ありがとうございます巽さん。」
サングラスをかけたまま巽はそういうと飲んだくれた安田に
身体を貸してやり
とりあえず船田がタクシーを呼んで数m先までいくことにした。
銀二はまだ部屋にいて、ビールやお酒を何瓶も飲んだのにも関わらず
平気な顔をしている。
とりあえず、と優太郎は銀二に声をかけると玄関先までやってきた。
お酒が入っているのもあってか少しだけ上機嫌。
「遅くまで悪かったな。」
「いつものことですよ。銀さんも仕事頑張って。」
「・・・」
「?」
「いや、またな。」
そういって優太郎の頭をまた乱暴に撫でていくとぱたりと
部屋を出て行った。
あれだけ騒がしかった部屋が急に静かになるのは
やっぱり少しだけなれなさそうだった。





自分の部屋にいくと身体が疲れ、休息をとりたいからか
身体が自然とベッドに赴いた。
どさりと新品の匂いがするシーツに身体を寄せ
優太郎の身体が丸くなる。
お酒を飲まされた・・・しかも結構ピッチが早くて・・・
安田さん達と話している時は思考回路ははっきりと
していたのに一人になると急に酔いが訪れたのだ。
「銀さん・・・」

ぽつりと優太郎は自分を育ててきてくれた人の名前を呼んだ。
銀髪のあの人、俺のまだ手の届かない人。



そう思った時、俺のアレが立っていた。
お酒の酔いのセイなのか、何なのだろうか・・・
部屋は酒の匂いであふれていて、でもかすかにあの人の匂いが
残っていた・・・それの所為だからだろうか。
トランクスを脱いで性器に手を付けた。
熱くて、でも擦れば擦るほど気持ちが良くて余計な事を
考えなくなってきていた。







銀さん、銀二さん、頭の中で彼の顔が浮かんでは
いろんな顔が浮かび上がる・・・それもみた事のない
想像だけのあの人の顔。
(快感に酔うあの人の想像をしてみたらたまらない・・・。)
考える度に優太郎の胸が痛くなって行きも少しづつ上がってきた。
「あ・・・んぁ・・・ふぅ。」
新品のシーツがどんどん皺をよってきてでもそんなこと
お構いなしで性器だけを扱いて、追い詰められたかのような
感覚が襲ってきて声が自然と漏れだした。
「あ・・・あぁぁ!んっ・・・ぁ。」
どくりと何かが身体から出た。射精したんだとわかるのは
少し後になるのだが、ぐったりとした身体はもう動くことなく
後処理もどうせ誰も見ないしと思いながらも目を閉じた。







「あー・・・(とんでもないものを見てしまったような・・・)」
優太郎の部屋に忘れ物を取りに来た男が一人。
部屋に入った瞬間くらりとしてしまった。
巽が優太郎の部屋に入ってきた時、見えたのは優太郎がベッドで
寝ている所だった・・・のだが優太郎の下が丸見えでしかも
射精した後があると巽はぽりぽりと頭を掻いた。
「(まあ、今時の思春期の部屋に入った俺が悪いな、うん)」
とりあえず風邪引かないようにタオルケットで身体を覆ってやり
部屋を後にしたのだった。








PARADISO「一人暮らしの代償」






「巽、手帳ちゃんとあったか?」
「・・・・あ。」







2011.7.18
事後の後に見られるとか可愛そうとか
おもいつつも楽しかったです。


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