調和




とある日のラウンジでの出来事である。
ラエがふと、ルーシーに告げた。
「オレに敬語使わなくていい。」
「えぇ!?」
その言葉に、ルーシーは思いっきり肩を跳ねさせた。
「そ、そうは言われましても、先輩ですし……」
落ち着きなく泳ぐ視線を、ラエは何でもないように捉えた。
「どうでもいいだろ、そんなの。実力あんだから堂々としてりゃいいんだよ。」
至極当然のように話すラエ。
その態度とは裏腹に、ルーシーは顔をピンク色に染めていく。
しどろもどろに言葉を紡いだ。
「そっ、そんなことは!まだ入隊してから日も浅いですし、皆様方から教わることが沢山あります。それに…」
「あー、悪い。無理言ったな。忘れてくれ。」
続く言葉を遮った。
ラエが面倒くさそうに頭を掻き、視線を逸らす。
反対に、ルーシーはラエを見つめた。
何かが引っかかるような気がして。
「い、いえ…。あの、どうかされましたか?」
「何か変だったか?」
違和感など何も無い不自然が、そこにはあった。



――――――――――


あとがき

まずは、キャラクターを貸してくださった子犬様、ありがとうございます。
短編組シリアス三連発第二弾でした。
しかしこれ、シリアスでしょうかね?
そしてかなり短いですね…。
これは小ネタということで、勘弁してください。





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