同道



のんびりと流れる雲。
青々とした空。
どうやら今日は穏やかな晴天のようだ。
庭園に差し込む光が、花々に降り注ぐ。
ゆっくりと進む時間。
「あ、いたいた。隊長〜。」
そんなところに、声がやってきた。
その元へ視線を向ければ、イーギスが手を振っているのが見える。
顔に笑みを携え、歩いてきた。
「イーギスか。どうした?」
「いや、用ってわけじゃないですけど、最近隊長と話してないな〜って思いまして。」
応えながら近づいて、ジュリウスの隣に腰を下ろす。
「…それだけ、か?」
ジュリウスがイーギスを見れば、イーギスは目を伏せて柔らかく笑っていた。
「隊長とのんびり話してると和むんすよ。」
一瞬の空白。
「…ん?どうしたんすか隊長?」
それに気付いたイーギスがジュリウスへ向き直った。
少しだけ目を丸くしているのが分かる。
「あ、あぁ、いや…」
ジュリウスにしては珍しく、言い淀んでいた。
気まずそうに視線がズルズルと下がっていく。
「…初めて、言われたと思ってな…。」
そんな様子に、イーギスは首を傾げる。
「そうなんすか?でも皆言わないだけですって〜。だって…」
笑いながら手を振り、言葉を続けようとしたところで、重なる声。
「ジュリウスー!ギルがまた無謀な戦い方してたよ。ちょっと注意してやってくれよ!」
「お前がビビってるだけだろ?あそこでは先手を打った方が…」
「二人とも、いつまで続ける気なのー…。」
「ここはジュリウス隊長の意見をいただいた方がよろしいかと判断し、連れてまいりました。」
庭園にやってきたのは、ブラッドの隊員たちだ。
ロミオとギルバートは論争を続け、呆れたような表情をしたナナ、真面目に敬礼をしているシエル。
庭園に、ブラッドが全員集まった。
先程までの静けさなど、慌ただしく吹き飛ばすように。
「…ほら?」
隣に居たイーギスが、いたずらっぽく笑った。





――――――


あとがき

仲良しブラッドください。
幸せな終わりはどこですか。




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