-04 吹き飛ぶ教室

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今日は暇だからと煉獄先生が最後まで手伝ってくれた。
何回目か分からないが毎回申し訳なさと嬉しさで変にニヤニヤしてしまう。
彼に不審に映ってないか不安だ。


「今日もありがとうございました」
「こちらこそありがとう!」

いつも私に感謝の言葉をかけてくれる。
その言葉に胸のあたりがポカポカする。


さて、名残惜しいけれど帰ろう。
そう思った矢先だった。


聞いたことのないほど盛大な爆発音が聞こえ、校舎がジリジリと揺れた。

遠くから悲鳴も聞こえる。


「へ…!?!!て、テロ!?」
「テロではないな。また宇髄が爆破したんだろう」


爆破!?
それはテロなのでは!?


思わず倉庫の大きな机の脇にしゃがんで隠れる。
そんな私とは正反対に煉獄先生は「様子を見てこよう!」と楽しそうに走り去った。

アナウンスで「生徒はその場に待機してください」と流れているし、私もここにいて様子を伺おう。
煉獄先生も帰ってくるようなそぶりだったし…。



ザワザワと学校内が騒がしい。
廊下を走り去る学生たちは「宇髄先生だってー」「また?」とか「そろそろ学校自体崩壊しそう」など私には理解できないことを話している。


しばらくすると煉獄先生が笑いながら帰ってきた。
笑っているのが怖い…。


「やはり宇髄先生だった!」
「え…先生がなぜ学校を爆破するんですか…」
「芸術は爆発だと言ってな、よくするんだ」
「よくする!?」
「さあ、これから君は忙しくなるんじゃないか?」
「え?私?」


未だにしゃがんでいる私に煉獄先生は手を差し伸べた。
ドキリとしたけれど、差し出してもらったからにはしょうがない。
手を借りて立ち上がる。

あたたかくて自分よりずっと大きい手。
心臓が物凄くうるさい。
動悸で倒れてもおかしくない。


「爆破された教室は色々吹き飛んでいた。また新しく買わなきゃいけないだろう」
「は、はあ…」
「また君が事務長に見積もり依頼されるはずだ」
「なるほど」
「前の業者の方も驚いていたよ。でもそちらにとっては売り上げも上がるだろうし嬉しいだろう?」
「そ、そうですね…」

素直に喜んでいいのか分からない。
それによくあると言っていたし、これからまた何度か起こりうるということ?


「玄関の方は何も問題ない。だが帰りは気をつけた方がいいな!」
「はい…」

私は今起こった出来事を理解できないまま帰路についた。




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