-03 その他の来訪者たち
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倉庫で作業をしていると煉獄先生の他にも色んな先生が消耗品を取りにやってくる。
頻繁に現れるのはめちゃくちゃに強面で恐ろしい人だ。
前に煉獄先生に思わず「誰ですか?」と聞いたら「数学の先生の不死川だ」と教えてくれた。
よくチョークを粉砕するからすぐに換えを取りに来るのだとか。
他にも竹刀を持ったイケメンな先生が金髪の少年と現れて「罰として体育館の雑巾がけをしろ」と言って少年に掃除用具を渡していた。
なんの罰か知らないが今のご時世大丈夫なのだろうか…?
「地毛だって!」と少年叫んでたし…
前に煉獄先生とコンビニに行く約束をしていたであろう不良のような先生といい、ここはヤバイ人が多い気がする。
でも不死川先生や他の名前も知らない先生たちも、煉獄先生がいなくて私1人で作業をしてる時は手伝ってくれることがある。
みんなヤバイ人だけど優しい人たちなんだと思う。
「それ、手伝いましょうか!?」
「!」
今日は初めて生徒にそんな声をかけられた。
通りがかって挨拶をしてくれる生徒はたくさんいたけれど…。
煉獄先生みたいに明るいハツラツとした少年だ。
ピアスしてるけど校則違反とかにならないのかな?
「生徒の方にまでそんな!申し訳ないです!これは私の仕事なので…」
「大丈夫ですよ、こっそり運びますから!」
「そ、そんな…」
私の制止を振り切って少年は段ボールを運び出す。
今日は量が少なくてよかった。
私と彼の持っているので最後だ。
「すみません、ほんと…」
「いえ!困っている人を助けるのは当たり前ですから!」
私は困ってないけど…
ありがとう…
「俺、竈門炭治郎といいます」
「えっ!あ、私は苗字名前です」
「やっぱり苗字さん!煉獄先生の言った通りだ!」
「えっ!?!な、なにを…」
竈門と名乗る少年の予想外の発言に割と大きな声を上げてしまった。
「最近見かける業者の苗字さんという方が、健気に頑張っている姿が弟に似てて放っておけないって言ってました!」
「お、弟に…」
よく手伝ってくれる煉獄先生は私をそんな風に思っていたのか。
弟に似ていると言われるのはどう反応していいのか分からないけれど、放っておけないという言葉に胸が熱くなる。
「俺も長男なので、煉獄先生の気持ちわかります」
「そ、そうなんだ…」
よく分からないけど良い子だった。