キスをテーマにしたショートストーリー集です。

一つ140字〜200字で構成され(筆が乗ればその先も)、短編や長編に採用されたものや今後使う予定のものもごちゃ混ぜになっています。百個のキスシチュを書くことを目標に、管理人のキスシチュへの飽くなき萌え語りを交えて記載しています。




▼ No.19『背中へのキス』

2016/01/11 00:20

キャラ指定なし。ベットの上の男女。







「綺麗な肌だね……」

白い肌を彩る花柄のブラジャーのホックを外し、露わになった背中に五指を這わせて感触を味わう。小さな口から漏れる甘い吐息を首筋に感じながら、彼女の背中に回した指を更に動かし、彼女の耳朶へと舌を這わす。

「背中も……こんなに綺麗……」

たおやかな髪に指を絡ませながら、シーツを掴んでうつ伏せになる彼女の耳に後ろから囁きかける。恥ずかしさで頬と耳を赤くする彼女をさらに煽るように、ゾクゾクと肌を粟立たせる優しい愛撫を彼女の背中に施してゆく。


「これは、オレのだから……」


肩甲骨から腰にかけての曲線を指でなぞり、その先の臀部を感触を味わうように掌で包み込みながら、腰の部分へと赤い所有印を刻み込む。

彼女が自分自身では決して見ることのできない――ベッドを共にする人間にしか見ることができない場所に付けたのは、他の男への牽制のため。

これはオレの。そう心の中で再度呟いて、彼女の白肌へともう一つ赤い印を刻み付けた。













……あれ?今度はエロくなってしまった………。
でも、こう言うの、大好きです!!!

リクエスト、ありがとうございましたー!!!



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▼ No.18『同棲中のキス』

2016/01/11 00:19

キャラ指定なし。同棲中の男女。悪戯気質なS気彼氏。






「もう、邪魔しないでよ。こんなんじゃ料理できないじゃない」

キッチンの中で包丁片手にぷりぷりと怒るエプロン姿の彼女を後ろから抱き締めながら、彼は彼女の耳へと息を吹きかける。

「んもう!」
「だってさぁ、朝起きたら隣に居なかったんだもん。せっかくの休みなのに、ベッドに一人だなんて寂しいじゃん」

包丁を握る彼女の手首を握って包丁をまな板へと置かせながら首筋を下から上へと舌で舐めあげると、彼女が息を震わせた。

「……ん、そんなんじゃ朝ごはん……作れ、ない……」
「いいじゃん、作らなくて」
「でも……」
「いいの。俺の朝ご飯はここにあるんだから」

彼女の顎をつまんでクイと後ろに向けさせ、リップクリームでぷるんと潤っている唇を貪り舌を挿し入れると、やっと彼女の肩から力が抜けた。

「……ほら、美味しい」
「……もう、ばか」

大人しくなった彼女の体をくるりと反転させて、もう一度強く抱き締めながら唇を重ねる。
その間に、お湯を沸かしていたコンロの火を消すことも忘れない。

「俺に、朝ごはん食べさせてくれるでしょ?」

フリルの付いたエプロンを押し上げる豊満な胸を円を描くように揉みながら追い打ちとばかりに問い掛ければ、彼女が観念したように顔を赤くして頷いた。

「じゃあ、ベッドに逆戻りと行きましょうか!」

揚々と言うと、彼は彼女の膝に腕を回し入れ彼女を抱き上げそのままお姫様だっこの形でキッチンを後にした。

さあ、朝ごはんの始まりだ。彼女をベッドにぽふんと降ろすと、彼は彼女へと覆いかぶさりまるで空腹をぶつけるかのような濃厚なキスを始めたのだった。
外では、朝日の中スズメがちゅんちゅんと鳴いていた。









やっと、甘い話が書けました……!(当社比)
満足です!!!
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▼ No.17『所有印のキス』

2015/05/02 04:50

抹茶様より、相合い傘のキスシチュが初々しくて良かったです!とのお言葉とともにキスシチュのリクエストを頂きました。ありがとうございます。このコーナーではシチュエーション先行なので基本的にキャラ名を出さずに書いておりますが、イルミがお好きとの事だったので、イルミをイメージして書きました。






「ねえ、今あの男のこと見てたでしょ。何でそういう事するの? お前は俺のモノだって言ったよね?」

家人を引き連れて高級デパートに買い物に来ていた男は、自分の三歩後ろに立つ女に向かって苛立たしげに言い捨て、「違う!私はそんな事していない、誤解よ!」と叫ぶ女の腕を強く掴んで人気のない階段の踊り場へと力任せに引っ張り、青白い顔の女を壁にドンと押し付け、両手首をギリと掴み上げた。

「やめて……違うわ、私はあなたしか見ていなかった。本当よ、信じて……」

震え声を上げる女に男はただ一言「うるさい。」と言うと、女の白いほっそりとした胸元に歯を立て、吸い上げた。身体を捻る女を更に壁に押し付け、手首を掴む手に力を入れる。時折顔を振る女の髪だけが揺れていた。

「うん、これで良し。」

しばらくして顔を上げた男は、うなだれる女の胸元を満足そうに見た。無数の紅い痕。キスマーク。男のモノであるという証であった。

「何してるの? 早く戻るよ。」
「え? このまま?」

胸元をキュッと握る女へと手を差し伸ばしたまま、男はピクリとも動かない。無感情な瞳だけが女をじっと見つめていた。

「……良い子だね」

おずおずと手を伸ばす女へそう言うと、男はフロアの方へと歩き出した。人いきれの中、女の白い胸元で咲く男の所有印が、まるで雪の上に垂れされた鮮血のように存在を主張していた。







「嫉妬」「胸元周辺」「噛みつくようなキス」とのリクエストでした。
設定は、イルミに気に入られて軟禁拷問生活を強いられている女って所でしょうか?
確かNo.7の『狂愛のキス』もイルミの嫉妬をテーマに書いた気がします。イルミだとこんな感じの一方的なものしか浮かびませんねー、女が死んでしまうバッドエンドしか思いつかないですけどw

抹茶さん、ありがとうございました。シチュが美味しかったので、先にキスシチュの方書かせて頂きました。キスシチュ以外のコメントのお返事は後日コメレスの方でさせて頂きます。



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▼ No.16『相合傘のキス』

2015/03/19 16:06


キャラ指定なし。幼馴染。中高生くらい?ケンカップル?







天気予報は晴れのち雨、降水確率は40%、学校が終わる頃に雨が降ってくるかもしれない、そういう予報だったはずなのに私は今日学校に折り畳み傘を持ってくるのを忘れてしまった。昇降口で最寄りのバス停まで走って行こうかどうか迷っているそんな時にあいつから声を掛けられた、バス停まで一緒に行くか――と。

なんで「お前なんか濡れて帰れよ、バーカ」っていつものように悪態をつかないのだろうか、なんでそんな心配そうな顔をして私を見てくるのだろうか、なんで「ほら濡れるよ」って言って肩をグイッと引き寄せるのだろうか、あんたの肩の方が私なんかよりずっと濡れているのに……。

隣に並んだあいつの肩は思ったよりがっしりしていて、傘の柄を掴むあいつの手は四角く骨ばっていた。たまにトンとぶつかる半袖の制服から伸びた筋肉質な肘が、雨に濡れているにも関わらず熱かった。

「どうしたんだ? 今日はやけに静かじゃねえか」

遅くまで部活があったせいでバス停までの道に他の生徒の姿はなく、辺りは夕闇を超えて夜闇に片足を突っ込んでいる。電柱にぶら下がる電灯に照らされたあいつの、軽快に笑うあいつの横顔を盗み見るけれど、いつもならあいつへの悪口がポンポン飛び出すはずの口がなぜかまるで石になったみたいに重くなっていて、私は無言のまま下を向いてバス停までの道を歩く事しか出来なかった。


「危ねえ、車だ!」


後ろからクラクションが聞こえるのと同時に、肩に衝撃を感じた。それがあいつに肩を抱き寄せられたからだと気づいたのは、車のヘッドライトが通り過ぎてしばらくが経ってからだった。

二人の間にあった傘の柄は車の水飛沫に備えて剣道の竹刀のように道に向けられ、私はあいつの意外としっかりした胸板の厚みと力強さを、右頬と右肩に感じていた。耳にあいつの息が掛かり、心臓が早鐘を打ち、顔がカーッと熱くなった。シャツ越しに感じるあいつの体温も熱かった。


「あ、ごめっ……」


戸惑いの混じったあいつの声に顔を上げると、あいつは暗闇の中でも分かるくらい顔を赤くしていた。心臓が煩い。たぶん、私の顔も同じくらい赤くなっているのだろう。


「オレ、実は、お前のこと――」


途切れ途切れに紡がれるあいつの言葉を耳にしながら、肩をさらに強く抱き寄せられた。あいつの真っ赤な顔と真摯な瞳が眼前に迫る。もう心臓が破裂寸前だった。

遠くでバスのクラクションが聞こえる中、半透明の白いビニール傘が私とあいつの唇の重なりを隠していた。






以前、「相合傘のキスシチュって萌えません!?」ってコメント頂き、随分と時間が経ちましたが、そのお返事としてSSを書かせて頂きました。

相合傘で、かつ、キスを傘で隠すようにしてするキスシチュ大好きです。しかも、学生で初々しい感じだったら最高ですね。銀魂の沖神みたいな関係性だと更に良し!

今回も普段は軽口を言い合っているような関係性を想定して書きました。幼馴染?までは行かなくても、相手を数年前から知っているような仲だと良いですね、普段は喧嘩をし合うやり方でしか相手と関われないけれど、実は意識しあっていた。そんな感じの友情から恋へ移ろう瞬間って甘酸っぱくて好き。キュンキュン。大好きだぁぁぁ!!
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▼ No.15『薄明けのキス』

2015/03/19 16:05

キャラ指定なし。情事後?







空が藍色から薄紫に変わる頃、寝ぼけ眼のまま身体を横に捻ると、寝息を立てて布団に包まる愛らしい君の姿が目に入る。腕を回してぎゅっと抱き寄せれば、君がう……ん、とあどけない声を上げ、回した腕から君の温もりがじんわりと伝わってくる。何て愛おしい。僕は彼女の胸元に顔をうずめた。どんなに願ってもこの関係に終わりが来るとは目に見えている。だから、今だけは……この瞬間だけは、永遠に――。僕は彼女の首筋に哀願のキスを落とした。






どんなに考えても、バッドエンドのキスネタばかり浮かんでしまう。出だしはほのぼのな感じだったのに、どうしてこうなった\(^o^)/

現実的な所で言ったら、不倫関係だとか? 不治の病を抱えているとか? たぶんそれ系な感じ。
ファンタジーで言ったら、世界の鍵となる彼女は世界を救うためにこれから生贄とならなくてはいけない。それが嫌な僕は彼女を攫って誰も知らない場末の地で彼女と二人暮らしを始めたけれど、世界の崩壊は止まらない。世界の終わりか彼女の死か。終わりは見えている。そんな葛藤の中の一抹の幸せ。そんな感じの設定だと萌えますね。
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