★1話★




4月の入学式、春。


ここ、梟谷学園男子バレー部の居る第4体育館は最大の危機を迎えていた。









『コーチが捕まらなかったあああああああああ!?』






今まで居たコーチが3月で退職するのは全員知っていて、勿論後任のコーチが4月からくるもんだと思っていた。
――――が!!!

なんと後任のコーチが決まっていないとマネージャーから聞かされている一同。
副主将である俺、赤葦も初耳の出来事だ。






「流石にやべーんじゃねぇの?この状況。」


「やばいっすね。俺でも流石に何とか出来るとかいうレベルじゃありません。」


「今日から新入生も入部してくるし、示しがつかねぇよなぁ……。『ヘイヘイヘーイ!なぁにみんな暗い顔してんの!』





ここでお気楽な主将の木兎さんが体育館へ登場。
うん、この人はよく読めないからきっと話しても無駄に終わるんだろう。

いや、でも一人だけ知らないなんて事実が分かればもしかしてしょぼくれモードに……。
俺の脳内は0.5秒の間フル回転で思考を張り巡らせる。
 


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