★12話★ 季節は秋から冬にさしかかろうとしている11月中旬。 東京都の春高予選も勝ち進み、やってきた春高東京都代表決定戦。 気合が入っているのは俺達3年だけではなく、詩織を含めた全員だ。 「まじ!?ツッキー達牛若倒したの!?っつか牛若ブロック!?」 詩織から聞かされた。 烏野が全国大会行きを決めた、と。 あのツッキーが牛若を1回だがぶろっくしたと。 「見ます?実はひっそりとあっちの知り合いに決勝戦のDVD貰いました。」 『詩織(ちゃん)やるーー!!!!!』 俺達は監督の許可を貰い、烏野vs白鳥沢の試合をDVD観戦する。 正直、言葉を失うほどのハイレベルな試合だった。 「ツッキーやべぇな。」 「ってかこのぶろっくの仕方。黒尾さんですよね。」 「え?」 「あれですよ、初めて第三体育館で自主練した時。木兎さんのスパイク練の2枚ぶろっくで、黒尾さんクロス止めたじゃないですか。あれと同じですね、これ。」 ――――――あぁ確かに!!!!? 「育ってるねぇ……やべぇわツッキー。」 「ってか夕もやべぇよ!!牛若のサーブ3本で捉えてんじゃん!すっげぇわ!」 「澤村くんのレシーブも凄いよ。烏野、いよいよ侮れなくなってきたな。」 「なぁ詩織。今うちが烏野とやったら、どっちが勝つと思う?」 「――――現状は烏野ですね。」 『ガビーン。』 ハッキリ言っちゃいましたねこの子!!!!! ← → back 175/118 |