「勘違いしないでください、現状はといっただけです。 それに、烏野と戦うには私達も3位以内に入らなければいけません。 残っている3枠を争うのはウチを含めて4校。梟谷に全国3本指に入るエース佐久早さんがいる井闥山。 そしてしつこい事で有名な戸美。 全部ぶったす勢いでなければ、私達も全国へ行けません。」 「まぁ一戦一戦。いつも通りにいこうや。」 『うっす!!!!』 東京は毎回激戦区。 広い都市だし仕方ない事も分かっている。 練習通りに。 それが出来れば誰だって緊張もしないし苦労だってしない。 それでも、やっぱり不安にはなる。 だから、飛んでくるボールに気付けなかった。 「―――――黒尾さんっ!!!!」 「え っ ………… !!?」 『詩織(ちゃん)!!!!』 俺に向かって飛んできたボールに向かって突っ込んできた詩織が、派手に倒れる。 皆が詩織に集まる中、俺は詩織を起こす。 「詩織!!おい大丈夫か!?」 「いったたたた……あ、すみません大丈夫です!!」 「黒尾!!お前何ぼーっとしてんだよ!」 「わ、わりぃ…ちょっと考え事してて……。」 「私は大丈夫ですから、皆さん練習に戻ってください! このままちょっとドリンク補充に行ってきます!サーブ練始めててください!」 俺は見逃さなかった。 一瞬右足を引きずったように見えた動きを。 ← → back 175/119 |