「勘違いしないでください、現状はといっただけです。
それに、烏野と戦うには私達も3位以内に入らなければいけません。
残っている3枠を争うのはウチを含めて4校。梟谷に全国3本指に入るエース佐久早さんがいる井闥山。
そしてしつこい事で有名な戸美。

全部ぶったす勢いでなければ、私達も全国へ行けません。」


「まぁ一戦一戦。いつも通りにいこうや。」


『うっす!!!!』




東京は毎回激戦区。

広い都市だし仕方ない事も分かっている。
練習通りに。

それが出来れば誰だって緊張もしないし苦労だってしない。
それでも、やっぱり不安にはなる。


だから、飛んでくるボールに気付けなかった。







「―――――黒尾さんっ!!!!」



「え っ …………     !!?」


『詩織(ちゃん)!!!!』





俺に向かって飛んできたボールに向かって突っ込んできた詩織が、派手に倒れる。
皆が詩織に集まる中、俺は詩織を起こす。






「詩織!!おい大丈夫か!?」


「いったたたた……あ、すみません大丈夫です!!」


「黒尾!!お前何ぼーっとしてんだよ!」


「わ、わりぃ…ちょっと考え事してて……。」


「私は大丈夫ですから、皆さん練習に戻ってください!
このままちょっとドリンク補充に行ってきます!サーブ練始めててください!」





俺は見逃さなかった。

一瞬右足を引きずったように見えた動きを。











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