隠しシナリオ復活・トイレに行かない男(女PS) | ナノ
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女主人公・PS追加・ゲームオーバー無し
細田友晴隠しシナリオ
復活・トイレに行かない男

竹内さんはニコニコ微笑みながら、お茶を私に勧める。……まったく夢と同じだわ。

1、飲む』を選ぶと【ENDろくろ首細田さん】

2、飲まない』を選ぶと【END竹内親衛隊】



〜出し方〜

3話に細田友晴を選び『2、飲まない』で終わるようにして6話に新堂誠を選びゲームオーバーにならないようにする


「絶対に排泄をしない人間なんて信じられないだろ?」
2、信じられない
or
3、もしかしたらいるかもしれない』→『1、今日はいい天気ですねといった



「僕の家に遊びに来ないか?」
1、行きますと答える』or『3、今日は用事があるので別の日にしてほしいと答える



「僕の父さんが外国に行ったときに手に入れてきたものなんだ。サンブラ茶っていうんだけど」
2、飲まない



「体の不浄物をすべて取り除いてくれる効果があってね。本来は排泄物となるものを汗に変えて、全身の毛穴から出してくれるのさ。だから、どんなに食べても太ることはない。」
2、飲まない



「お前も占いとか好きだろ?」


2、嫌い』を選ぶと7話へ


1、好き』を選んだ場合
「……おっと、停電か? まあ、話を続けるのには、たいして関係ないが……。このまま続けてもいいのか?」


1、話を続けましょう』or『1、話を続ける』を選ぶと7話へ



……真っ暗な空間が広がってる。
目を開けても……。
目を閉じても……。
目の前にあるのは暗闇だけ……。
いったい何が起こったのかしら?

……あっ。
ずっと向こうに明かりが見える。


1、明かりに向かって歩く
2、明かりとは反対の方に向かって歩く
3、その場を動かない



『1、明かりに向かって歩く』



……向こうへ行ってみよう。
私は、暗闇の中を明かりに向かって歩き始めた。
すると、最初は点のようだった明かりが、どんどん大きくなっていって……。

いつのまにか、私は黄緑色の光に包まれていた。



『2、明かりとは反対の方に向かって歩く』



……あっちには何があるのかしら?
私は、明かりとは反対の方に向かって歩き出した。
真っ暗な空間の中を、ただひたすら歩く。
どれくらい歩いたのかわからない……。
目の前に広がる真っ暗な闇。
闇、闇、闇……。

このまま歩いていっても、この眺めは変わりそうにない。
ふと振り返ると、あいかわらず点のような明かりが見える。
ずいぶん遠ざかったと思ったけれど、実はそれほどでもないのかもしれない。
まだ戻れるかしら……?
私は、引き返して明かりに向かって歩くことにした。

すると、点のように見えていた明かりが、どんどん大きくなっていって……。

いつのまにか、私は黄緑色の光に包まれていた。



『3、その場を動かない』



私は、その場にじっとたたずんで動かなかった。
……なのに、最初は点のようだった明かりがどんどん大きくなっていく。
引き寄せられてる……!?

そう思った時には、私は黄緑色の光に包まれていた。



※以下同文※



足元には、青々と茂った草原が広がってる。
ここは、いったいどこなのかしら……?
身体が軽くて、やわらかい草の感触がなんだか心地いい。
深く息を吸い込むと、草いきれがして頭がぼーっとなる。

……たまには、こんな風にのんびりするのも気持ちいいな。
そんなことを考えていると……。
「君……。
植物が好きなんだね……」
ふいに、声をかけられた。

驚いて辺りを見回すと、少し離れたところに男の人が立ってる。
見たことのない顔だわ。
いったい誰かしら……?
「植物はいいよね。
愛情を注げば、必ずそれに応えてくれる。
人間のように裏切ったりしないんだから……」

そういって、男の人は微笑んだ。
笑顔がまぶしい。
「どうかな?
こんな場所で会ったのも、何かの縁……。
一緒にお茶でも飲みませんか?」
……はぁ。

これって、新手のナンパなのかしら。
でも、こんな草原のどこでお茶にするっていうの……?

グルッと辺りを見回しても、目に映るのは広い広い草原だけ。
他には何もない。
「あの……。
お茶って……?」
辺りを一通り見渡してから、男の人を振り返った。

……あれ?
いつのまにか、男の人と私の間に小さなテーブルが置かれてる。
その上には、白いティーカップが二つ……。
中身はよく見えないけれど、なんだかコーヒーみたいな色だわ。

……いったい、どこから用意したのかしら?

「さあ、どうぞ」
男の人はニコニコ微笑みながら、それを私に勧める。

……どうしよう?


1、飲む
2、飲まない



『1、飲む』



「……はあ。
いただきます……」
そういって、私はおそるおそるカップに口をつけた。
……うっ!
なんて味かしら……!!

一週間炎天下に放置しておいた牛乳をベースに、セロリのぶつ切りを入れてジューサーにかけ、仕上げにカブト虫の幼虫を入れて煮込んだような味……。
一口しか飲まなかったけど、その一口を呑み込むのに物凄く苦労したわ。

顔色が青くなったり赤くなったりしてるのが、自分でもわかった。
その私の前では、例の男の人が平然とした顔で同じお茶を飲んでる。

……この人の味覚っていったい?
不信感いっぱいで、いぶかしげに見つめる私の視線に、気づいているのか、いないのか……。
男の人は、ただ優雅にお茶を飲み続けていたわ。



『2、飲まない』



「……はあ。
いただきます……」
そう答えたものの、私はカップに手を出さなかった。
だって……。
あんまりおいしそうには見えないんだもの。



※以下同文※



「このお茶は、特別な植物から作られたお茶でね。
とても健康にいいんだよ。
僕は、毎日欠かさず飲むことにしてるんだ」
そういって、男の人は喉を鳴らしながら、いっきにお茶を飲み干した。
そして、
「このお茶の名前、知ってるかい?」
とニッコリと微笑む。
「このお茶の名前は…………」

その瞬間、ザァーッと風が吹いてきて、緑色の霧が私の視界を遮った。
「……ンブ…………ラ……」
ざわめく風の音で、声が聞き取れない。
そればかりか、男の人も、テーブルも、ティーカップも、みんな、緑色に染まって霧の中に溶けて見えなくなる。

「な、何……!?」
私は、必死に目を凝らして辺りを見回したわ。

すると、突然、目の前に見知らぬ女の子が現れた。
その女の子は意地悪そうに微笑むと、
「あなた、邪魔よ!」
……と、私の身体を思いっきり突き飛ばした。

とたんに目の前が暗くなる。
その闇の中を、私の身体は物凄いスピードで落下していた。
……落ちる!
心臓を素手でつかまれるような感じがして、全身の毛がザワリと逆立つ。
暗闇の中にいるのに、ぐんぐん地面が近付いて来るのがわかる。

このまま落ちると……!?
「……ぶつかる!」

そう叫んだ瞬間、私の身体は地面に叩きつけられていた。
鋭い痛みが足先から伝わって来る。

「きゃーーーっ!」
その痛みに驚いて飛び起きると……。
「倉田さん、倉田さん……!」

ぼんやりとした視界に、細田さんの顔が移った。

……ここは、新聞部?
……うーん、何をしていたんだっけ?
頭がズキズキする……。
さっき停電があったんだっけ。
その時に頭を打ったような気がするんだけど……。
もしかして、私、そのせいで気を失ってた?

「倉田さん、大丈夫かい……?」
そういいながら、細田さんが私の顔を覗き込む。
……うっ。
心配してくれるのはわかるんだけどアップで見たくない……。
「だ、大丈夫です。ご心配なく……」

私は、部屋の中を見回すフリをして顔を背けた。

部屋の中に他のメンバーの姿はない。
細田さんと私の二人だけが、ぽつんと存在してる。
「他の人たちはどこへ……?」

「ああ、帰ってもらったよ。
だって……。
みんながいたら、狭すぎて七人目が入れないからね」
細田さんは、ニコニコしながらそう答えた。
……七人目?
七人目が、これから来るっていうの?

でも、みんながいたら狭すぎて部屋に入れない七人目って……。
もしかして、細田さん以上に太った人……!?
「あの、細田さん……?」
私は、心配になって尋ねてみた。
「細田さんは、七人目の人を知っているんですか」

「何いってるんだい。
いやだなあ、倉田さん……。
七人目はねぇ…………」

その時、突然ドアが開いた。
「やあっ、遅れてしまって申し訳ない」
声のした方を見ると……?

ドアのところに、男の人が一人立ってる。
この人が七人目なのかしら?
どこか見覚えのある顔立ち……。
でも、どこで会ったのかが、さっぱり思い出せない。
「竹内さん!」
嬉しそうに立ち上がったのは細田さんだ。

竹内さんって、確か…………。


1、竹内さんを覚えてる
2、竹内さんて、誰だったかしら……?



『2、竹内さんて、誰だったかしら……?』



竹内さんて、誰だったかしら……?
新聞部の先輩……じゃないから…………。
以前取材に行ったクラブの人?
それとも、同じ委員会の人?
生徒会の役員に似た様な人がいたような……。
……でも、ちょっと待って。

細田さんが声を掛けたってことは、細田さんの知り合いに違いないわ。
あっ! 思い出した。



『1、竹内さんを覚えている』

※以下同文※



竹内さんて、細田さんの話に出てきたトイレに行かない男の人だわ。
不思議なお茶を飲んで、トイレに行く必要のない体質になったとか……。
でも、その人、確か転校していったのよね。
……えっ!
お茶……!?

そうだ!
さっき、気を失っていた時に見た、夢の中で会った男の人……。
あの人にそっくりなのよ!
ううん。
……というよりは、竹内さんが私の夢の中に出てきたんだわ。

「遅くなってすまないね。
転入の手続きに少々手間取ってしまったんだ」
「えっ?
転入って……?」
……計算が合わないわ。
だって、細田さんより二つ年上なんでしょう?
だったら、今年の三月で卒業してるはずよ。

「ははは……。
僕が三年生じゃないのがおかしいかい?
本当なら、もう卒業してるはずだっていいたいんだろう?
実はね……。
僕は海外に行っていて、一年近く休学していたんだ。
だから、今から三年生のやり直しさ。
ははは……」

「じゃあ、来年の春までは、一緒に学校に通えるんですね」
……細田さんたら、妙に嬉しそう。
そっか……。
この人が竹内さんなら、細田さんが欲しがっていた何とかっていうお茶が手に入るってことだもんね。

「では、改めて自己紹介しようか。
僕の名は竹内清。
今日から三年G組の生徒だ。
よろしく……。
それじゃあ、僕が知っている怖い話をしようか」
そういって、いよいよ七不思議の最後を飾る七話目が始まったの。

「この学校ってかなり古くから建ってるせいか、立派な木がたくさんあるんだよね。
ずいぶん切り倒されたり、移し変えられたりしてるけど、新校舎な脇にある大きなイチョウの木は残ってるだろう?
秋の味覚っていうと、やっぱり銀杏は欠かせないよね。
ちょっと臭いけど、銀杏の味なしに秋の味覚は語れないよ。
倉田さんは、あの木の銀杏を食べたことないかい?」


1、ある
2、ない



『1、ある』



「えっ?
……あるの?
それは意外だったな。



『2、ない』



「そう、ないんだね。
それはよかった。



※以下同文※



実はね、倉田さん……。
あの木は、別名・自殺者の木と呼ばれているんだよ。
なぜか……?
簡単なことだよ。
あの木の下で自殺する生徒が多いからさ。
首を吊ったり、睡眠薬を飲んだり、死に方はまちまちなんだけどね。
あの木の下で発見される死体は、全部自殺体なんだ。
しかも、全員女の子。
……ねっ、不思議だろう?
これが、僕の知ってる怖い話だよ」

「たったそれだけですか?」
七不思議の最後を飾るには、ちょっとインパクトが弱すぎるんじゃないかしら。

……うーん、もうちょっと何か欲しい気もするんだけど。

「倉田さん……。
まあ、待ちなって。
そんなに結論を急ぐもんじゃないよ。
僕は、一年の時にこの話を聞いたんだけど……。
その頃は、女の子ばかりが自殺する理由なんて、さっぱりわからなかった。
その答えを見つけたのは、つい最近になってからなんだ。
……といっても、ずっとその答えを捜し求めていたわけじゃないんだよ。
僕が、その答えにたどり着いたのは、偶然以外のなにものでもないんだ。
……細田君は、サンブラ茶を知っていたね?」

「は、はい!」
「実はね……。
僕が外国に出掛けたのは、サンブラ茶のことをもっと詳しく調べようと思ったからだったんだ。
日本でも栽培できたら……って思ってさ。
僕の家で飲んでいたサンブラ茶は、いつも父さんがインドで買ってきていたからね。
インドへ行けば、サンブラ茶のことを調べるのなんて簡単だと思っていたのさ。
だけど、それは思っていたよりも遥かに大変な作業だった。
どこに行ってもサンブラ茶が見つからないんだ。

地元の人に話を聞くと、サンブラ茶の原料になる、サンブラ・ツリーっていう植物が、ここ数年の間に急激に減少して、今じゃあ絶滅しかかっているというんだ。
僕は焦った。

せっかく日本から来たのに、サンブラ茶が見つからなかった……なんて冗談じゃない!
僕は必死に捜した。
野生のサンブラ・ツリーを求めて、原生林の中を半年以上も放浪していたと思うよ。
そして、ようやくその植物を見つけだすことに成功したんだ。

本当に夢のような光景だったよ。
熱帯の原生林の中に巨大な木が生えているんだ。
本当に立派な木だったよ。
最初は、それが一本の木だと気付かなかったぐらいさ。

土色をした根っこやつるが四方八方に伸びていて、そこら一帯が、まるでジャングルのようなんだ。
だけど……。
びっしりと張り巡らされたつるは、すっかり枯れ果てていて、風が吹くたびに先の方からボロボロと崩れ落ちる。

大地を這う太い根っこはグジュグジュに腐っていて、うっかり踏むと黄緑色のドロッとした樹液が流れ出て異臭を放つ。

……その木はすでに枯れていたんだ。
植物にだって寿命はあるからね。
僕は、その木を隅々まで観察したよ。
その結果、サンブラ・ツリーが絶滅しかかっている理由がわかったのさ。

そしてそれは、例の新校舎脇のイチョウが引き起こす怪事件の謎を解く鍵でもあったんだ。
あのさ、倉田さん……。
さっき僕は、新校舎脇にあるイチョウの木の銀杏を食べたことがあるかって聞いたよね。


(1)

君は、あると答えた。
でもそれは嘘だ。

(2)

君は、ないと答えた。
……当然さ。


だって、あの木は実をつけないんだから。
あのイチョウは雄株なのさ。
知ってるだろう?
イチョウの木には雄株と雌株……。
つまり、人間でいうところの男と女があるんだ。

新校舎が立つ前は、あの辺りにはイチョウ並木があったんだってさ。
だけど、新校舎が建てられた時に、あのイチョウだけを残してすべて切り倒されてしまったんだ。
植物にも感情があってね……。
おそらく、あのイチョウは寂しいんじゃないかな。

独りぼっちで寂しいから、いろんな人を呼び寄せてしまうのさ。
……おいで。
ここへ、おいで……。
人間なんてやめて、僕と生きようよ……。
そんな風なささやきが、風に乗って人を招くんだ。

女の子ばかりが呼ばれてしまうのは、やっぱりイチョウが雄株だからだと思うよ。

……これが、イチョウの下で女の子が自殺してしまう理由さ。
サンブラ・ツリーも、イチョウやソテツと同じ、雄雌異株の植物でね。
雄株に比べて、雌株が圧倒的に少なすぎたために絶望の危機にあるんだ。

このままだと、サンブラ茶が永遠に飲めなくなってしまう!
そう思った僕は、なんとかしてサンブラ・ツリーを守ろうと、一生懸命サンブラ・ツリーの生態を調べた。
そしてついに、ある品種改良に成功したんだ」
そういって竹内さんは、口の端を歪めて笑顔を作った。

「その結果できたお茶が……これだよ」

そういわれて、ふとテーブルを見ると、いつのまにか白いティーカップが置かれてる。
カップの中には黒っぽい液体が入っていて、一見するとコーヒーのよう。
どうやら青臭い臭いは、このカップから漂ってきているみたい。

「さ、サンブラ茶だ……!!」
細田さんがゴクリと喉を鳴らす。
……飲みたがってたもんね。
「竹内さん…………」
細田さんは、すがりつくような目で竹内さんを見つめた。
でも……。

「駄目だよ、細田君。
君は、前の時に吐き出してしまったじゃないか。
そんな人に、貴重なサンブラ茶を飲ませるわけにはいかないね。
それにこの一杯は、僕が倉田さんのためだけに調合したものなんだから」

「…………はぁ」
きっぱりと断られて、細田さんはすっかりしょげてしまった。

「倉田さん……。
さあ、飲んでごらん」
竹内さんはニコニコ微笑みながら、お茶を私に勧める。

……まったく夢と同じだわ。


1、飲む
【ENDろくろ首細田さん】


2、飲まない
【END竹内親衛隊】