peper work


サッチの自室へと、二人が去っていき食堂ではマルコ達が雑談を交わしていた。

と、そこへ飛び込んできたのは4番隊の隊員。サッチの部下である。

「んな慌ててどうしたよい?」

マルコが声をかけると、その場にいたイゾウやエース、シモンも不思議そうに駆け込んできた男へと視線を向けた。

「マルコ隊長っ!!大変なんです!!サッチ隊長の部屋の近くをたまたま通ったんですが!!悲鳴と怒号が!!」

「っ!?んだとぉっ!!サッチの野郎!!」

そう叫んで走り出したシモンに続き、マルコとエース、イゾウもサッチの自室へと走り出した。

が、辿り着いた部屋はしんと静まり返り室内からはガタガタと規則的な物音が響いてくる。

それに、隊長陣がま、まさか!?と顔を青くさせると、怒りに任せてシモンが扉へと手を伸ばす…が。
扉には鍵がかけられている。

「あいつ、堕ちるとこまで堕ちたか?」

シモンから発せられた声は、怒りを滲ませ低くその場に響いた。
その瞬間、シモンは足に覇気を纏わせて扉を蹴破った。

と、シモンが固まった。

それを不思議に思ったイゾウやエース、マルコが両脇から顔を覗かせると顔を青くして固まった。









そこにいたのは、サッチを踏みつけて机をバンバンと叩きながら罵るレンの姿。

隊長陣とシモンは、停止していた思考を何とか駆け巡らせるも、何故こうなったのかわからずにその姿を呆然と見つめる。

と、ここでレンが入ってきたマルコ達とシモンへと視線を向けた。

『あら。これはこれは隊長方とシモンさん。この役立たずに何かご用ですか?』

冷笑を浮かべ、告げた言葉にハッとしてマルコがまず聞いた。

「お、おい。レン、こりゃあ。どういう事だよい?」

その言葉にレンはにーっこりと笑みを浮かべるがその額には青筋が浮かぶ。

『いやね、部屋に入ってさぁ仕事って思ったら?机の上には溜まりに溜まった書類。まぁね、それはいいとして…とりあえずそれを片付けてから、マルコ隊長の言ってた書類にかかろうって事になったんでね?次いでだからと、その山積みの書類の処理や何かも教えてもらって?あたしはあたしでその半分の山を持ってそこで仕事進めてたんですよ。早く済ませて、他にも仕事を覚えたいのでね?』

そこまで一気に語ったレンはその視線を足元のサッチへと向けると、サッチの背を更に踏みしめた。

『それなのに…このサッチ隊…あぁ、腐れフランスパン。あたしの持ってた分が片づいて、真剣な様子なのを後ろから覗いたら…こいつ、エロ本読んでたんですよ〜?でも、それは男の人ですからね。しょうがないと思って、あたし聞いたんですよ?書類もう終わってたんですね?すいません!!って』

ほら、やっぱり初めての書類だし?時間思ってたよりかかっちゃったのかなって?
尚、サッチの背に置いた足には力がこもっているのかジリジリと踏みしめながら笑顔を浮かべて隊長達とシモンを見る。

『あたし、すいませんって謝罪までしたのに…こいつが言ったのは、あ、やべ、忘れてた…。エロ本どかしてみたら、書類はまーっしろ。』

何なんですか?このフランスパン。
腐りすぎて、脳まで腐ったんですかね?
そう言ったレンに全員が心に誓った。

絶対に仕事に関する事でレンを怒らせまいと。

そうして、どうにか怒り心頭のレンの機嫌をどうにか宥めたマルコ達。
そして、シモンがレンに外で少し気分転換しようと誘い出すことに成功し部屋をあとにする。

「サッチ…………お前さん、なにしてんだい?たかが素人の女相手に。いくら自分が悪かろうと足蹴にまでされる事はないだろうに…」

そう言ったイゾウにサッチが顔を上げればその顔は顔面蒼白。

「お、お前ら!他人事だと思いやがって!!あいつ、めちゃめちゃ笑顔で!!精神的に追い詰めてくんだよ!!隊長ってのはエロ本読んで勤まるなんて知らなかったですよから始まって、そのフランスパンに詰まってるのは脳ミソじゃなくて本当にかっすかすのパンだったんですね?あ、かっすかすのパン出してあげましょうか?その代わりに、人の脳はまだ早いでしょうから、鳥の脳ミソでも積めてあげますよ?よかったですねぇ?最低でも三歩歩かなければ忘れませんよ?って………」

それを聞いたマルコ、エースイゾウはサーっとその顔から血の気が失せる。

あの女!!どれだけの鬼畜なんだ!!


さぼり?んな事する暇あったらさっさと仕事を片付けやがれ。

仕事はさっさと済ませて、遊ぶ主義なんですよ、あたし。




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