rode-4





ドゥーーン

大きな音にライは目を覚ます。
ぼけーっとしてから、バッと体を起こすと窓に駆け寄る。

外を見ると、遥か彼方に飛ばされていくワポルとそれを追いかけていく趣味の悪い家来。

『やっば…寝すぎたっ!』

剣を腰に差して部屋を後にする。
門を潜り外へ出ると城の上からルフィがチョッパーを探し回っていた。

『おーい!ルフィ!何してんだよ!』

「ライ!おめぇも行くだろっ!」

『どこにだ?』

と、そこへリフトから人の声が聞こえだしルフィが飛び込んでいく。

ドガアーン

「うぉっ!」

「ん?何だ!ゾロじゃねぇか!おめぇも来たのか?」

「おめぇ!アブねぇだろっ!」

「あっ!ルフィさん!ライさんも無事だったんですね?」

ビビの声にウソップとゾロがライへと視線を向けた。

「おぉ!ライ!無事だったか!今、おっさんも一緒に上に来たんだぜ!」

「おい、ウソップ。誰だよ?こいつ…」

平然と話しかけるウソップとビビにゾロだけは眉間に皺を寄せ尋ねる。

「俺らが山登るのに道案内してくれたんだ!あと仲間だっ!」

「「はぁっ!?」」

「あともう1人仲間がいるんだけどよー!あれ?どこ行っちまったんだ?」

『ルフィ……俺、まだ仲間になるとも言ってねぇぞ…』

「だそうだぞ…ルフィ。それに、こいつこそ得体が知れねぇじゃねぇか!」

「お前、剣を使うのか?」

『ん?あぁ、一応な?何だ?』

「ほーお。お前船乗れよ。」

「はぁっ!?」

「ほら!ゾロもライの事気に入ったみてぇじゃねぇか!」

『はぁ。たく。だけど、俺はずっとお前らとはいれないぞ?俺にも目的地がある。そこから先には俺は行かねぇ。それでもいいなら。今はルフィ達と海を進もう。』

「あぁ!それでいい!そこに辿り着くまでに正式に仲間に引きずりこんでやるからなっ!」

「ん?あれ」

「どうした?ウソップ」

「いや、あいつさ…」

『ドルトンも来てるんだろう?俺はドルトンに声をかけてくる。世話になったからな。』

「あぁ!俺は鹿探してる!」

「ん?ば、ばけものぉーーーー!」

「ぎゃぁーーーーー!」

『あ、逃げた…』

「ば、ばかやろう!ウソップ!あいつが…」

賑やかなやり取りを背にライはドルトンがいるだろう城の中へと足を進めた。

『ドルトン…』

「ライ、無事だったようだな?」

『あぁ、傷1つないよ。あと…』

「彼等と行くんだろう?」

『え?何で…』

ドルトンの顔を驚いた顔で凝視するライ。

「彼等と山に登ると行った時から、そんな気がしていたよ。行ってくるといい。」

『あぁ。ありがとう、ドルトン。行ってくる!』

そう話すとドルトンに背を向け、ルフィ達の待つ外へと歩き出した。

「ライーー!そりに乗って!このまま中庭通って、ルフィ達を乗せたら山を降りるぞ!」

『うわっ!チョッパー!』

そりに無理矢理ライを乗せると一目散に走り出したチョッパー。
後ろからはドクトリーヌがナイフを投げながら追ってくる。

「みんなぁー!乗って!山を一気に降りるぞ!」

慌ててそりに乗り込むルフィ達。
そして一気に山を下る…と

大きな砲撃音が辺り一帯に響き渡る。
即座に山を見上げるとそこに広がるのは…満開の桜。


雪深い冬島に奇跡の桜がその日咲き誇った。
弟子を送り出す為に、ヒルルクからドクトリーヌへと渡った研究は今華開いた。

チョッパーは満開の桜を見上げ、声を上げて泣いたのだった。




夜空に輝く希望の桜

(きっれーだなぁ!なぁ!ライ!)
(あぁ、そうだな)
(よーし!サンジ!船に戻ったら宴だぁ!)
(こんな日には呑まねぇと損だからなぁ!)
(ちょっと!こいつ誰よ!)
(覚えてねぇのか?ドルトンのおっさんの家にいたライだ!すっげぇ強ぇから仲間にするんだ!)
(ちょっと目的地まで乗せてもらうだけだ。仲間にはならねぇぞ!)
(ぶーぶー。なんだよ!いいじゃねぇか!)





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