destiny-14





エースとスペード海賊団の加入から数日。

各々が白ひげの船に慣れ始めた頃になるといつの間にかその体や服などに白ひげのマークを刻んだり、つけた姿が見られるようになっていた。

『なんだろう…新入生を迎え入れた気分だ…』

その様子を船首付近から眺めていたルカはぽつりとそんな言葉を洩らした。

「新入生とは何なのだ?」

『あ、ごめんね?ビスタ』

その声に振り替えると、帽子をとり椅子に座るビスタの姿。
現在、ビスタの髪を整えている真っ最中であることを忘れ、仲間達を眺めてしまっていたので一言謝罪を述べた。

「いや、大丈夫だ。それで、新入生とは何だ?」

『えっとね、この間の宴で勉強するのに通ってた場所があるって話したでしょ?』

「あぁ、学校とかいう場所だったかな?」

『そうそう!!そこは、1年に1度新しい仲間が増えるの。まぁ、年齢で分けられるから一緒に勉強するわけじゃないんだけど。でね、その学校には制服って決められた服もあってさ』

「制服?海兵が着てるようなのか?」

『そうそう!!女の子はスカート、男の子はズボンでさ。新しく入ってきた子達はそれが新しいわけよ。それを見ると、あ、新入生だなーってほのぼのすんだけど、まさにスペードの子達が今そんな感じだからさ。なんか、感慨深くてさ!!』

「確かに、新しく親父のマークを刻んだ者や親父のマークを服や何かにつけているものが増えたからな」

『でしょ?なんか、嬉しいよね!!あたし以降に入った家族、皆年上だったけど。スペードの子達はエースを始め皆ほぼ年下だし、弟ができたしねぇ!!』

「そうだな…家族が増えるのはいくつになっても嬉しい事だ」

『よしっ!!ビスタ、もういいよー』

「ん、終わったか。すまなかったな、ありがとう。ルカに頼むのが一番安全だからな」

『遊ばれてたからね、前までは』

ビスタの首からケープを取りながら、笑うルカ。

「見つからぬように、マルコやナースにやってもらう以外手がなくてな…ルカがいてくれてよかったよ」

『ふふ、どういたしまして』

顔を合わせながら笑顔を交わす二人に突如影が射したかと思うと目の前にこの船の新しい末っ子、エースが見張り台から飛び降りてきた。

「よう!!何してたんだ?」

『あれ、エース。ビスタの髪を整えてたの。てゆうか、危ないから降りる時は声かけなさいって言ってるでしょ?この数日で何人潰してるの?』

「おう、わりぃ。気を付ける!!」

「エース、見張りは終わったのか?」

『あ、そうだよー。終わったの?』

「交代の奴来たから降りてきたんだ!!」

「そうか、お疲れ」

「おう。なぁ?ルカ髪切るのうまいのか?」

『上手いかはわかんないけど、救いようのない事にはならないようには努力してるよ』

「そんな謙遜する事はないだろう?結構な腕前だ」

『ちょ、ビスタ…』

「へぇー。…なぁ、俺の髪も少し切ってくれよ?」

『えぇ!?でも…』

「いいじゃないか。少し整える位やってやるといい。可愛い弟からのお願いだぞ?」

『ゔ…。わかったよ…、エース座って 』

「やった!!そろそろ邪魔になってきたし、切りたかったんだよ!!さんきゅーな」

『エースの髪、癖っ毛だし。失敗しても文句言わないでよね…』

「言わねぇーから、やってくれ!!」

そう言うと、先程までビスタの座ってた椅子にそわそわしながら座るエース。
そのエースからは尻尾が見えるようで、ルカは思わず笑ってしまう。

「ん?なに笑ってるんだ?」

『な、なんでもない…プ…じゃあ、始めるよ?』

ケープを掛けると、ハサミを持ち毛先から少しずつ切っていく。

『エースの髪、意外と柔らかい猫っ毛なんだね?』

「そうかー?」

『うん、癖っ毛だし。もっと硬いかと思ってた』

「確かにその通りだな」

3人仲良く話していると、ビスタは剣の手入れを始め、エースは眠くなってきたのかうとうとと船をこぎ出す始末。

『ちょ!!エース、切りずらいから起きててよ!!』

「んぁっ!!わりぃ、頭撫でられてるみてぇで眠くなってきちまった…」

『あんたは、犬か…』

呆れながらも手は休めずに髪を切り続ける。そして、少したつと、

『はい、出来上がり!!』

ケープを取りながら、うとうとしているエースに声をかける。

「お、終わったのか?さんきゅーなっ!!」

『いーえー。どお?』

「おう、大丈夫だ!!首回りもすっきりして、涼しいぜ!!」

『それならよかった』

「終わったか、いいじゃないか、さっぱりしたぞ。エース」

ビスタも頷きながら、エースに笑いかけた。

「おう!!さんきゅー。皆に見せてくる!!」

そう言って走り出したエースを二人見送りながら、

『切ったとはいえ、そこまでスタイル変わらないようにしたから、言わなきゃわからない程度なのに…』

「あ、あぁ。そうだな…」

『皆にからかわれるね、エース…』

「いいんじゃないか?それもな…」

『そうだね』

二人顔を見合わせ笑いあう。


そんな穏やかな午後の一時。



花剣と火拳のイメージチェンジ?

(なぁなぁ!!俺見てなんか気付かねぇ?)
(なにがだ?)
(だーかーらー!!何か変わっただろ!?)
(いや、どこも…)
(わかんねぇのか?ダメだな、サッチは…)
(はぁっ!?何なんだよ!!)
(どうしたよい?)
(お、マルコ!!俺何か変わっただろ!?)
(?)
(わかんねぇよなぁ?)
(お前ら、俺だからいいけどな。女だったら、ぶっとばされるぜ?)
(何でだよい?)
(お前らもてないだろ?)
(はぁ!?何でそーなんだよ!!)
(あー、マルコ、サッチ?)
(おぉ、ルカ。エースがバカになったみてぇだ…)
(違うんだよね…実は)
(だーー!!駄目だ!!ルカ!!)
(え!?駄目なの!!)
(こいつらは自分で気づかなきゃ今後女に失礼だっ!!)
(あー、わかった…)
(よし、さぁ、答えろ!!サッチ、マルコ!!)
(いや、わかんねぇよい…)
(俺も…)
((なんかごめん…))








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