destiny-10




海軍少将キースの襲撃から数日。
ルカも目覚め、数日のベット生活から今日やっと通常の生活が送れる事になった。

『うっはーーー!!外の空気は清々しいねぇ!!もう、密室とか腐りそうなんだもん!!』

「あ、こら!!動けるって言っても傷はまだ完璧に治ってねんだからなっ!!無理だけはすんじゃねぇーぞ!!」

『だーー!!サッチ煩いっ!!その位わかってるから!!心配しないで、ほら、仕事行ってきなよ!!』

「ゔ…わかった。けど、大変そーにしてても、手伝ったりすんなよ!!わかったな!!」

そう言いながらサッチは甲板をあとにした。
そして、何故かルカの監視役にエースがへばりついていた。

『で、えーと。エースくん?何か聞きたい事でもあんの?そんな熱い視線向けてきちゃって!!』

「んなっ!!///別に熱い視線向けてねぇよ!!ただ、あんな大ケガして、もう外でていいのかと…」

『…………ありがとっ!!』

「はぁっ!?」

『心配…してくれてんでしょ?だから、ありがとっ!!それに、あたし傷の完治が異様に早いからあれくらいどってことないの!!だから、いつまでも部屋にいるよりもこうやって皆といた方がいい』

仕事をしながらルカを見つけ、手を振る兄達に手を振り返しながら話すルカの顔は戦闘中や普段の顔とはまた違い、とても優しい穏やかな表情をしている。

「なぁ、聞いてもいいか?」

『ん?どうせあの似非紳士が言ってたことでしょ?』
エースを見て、にこっと笑いながら聞き返す。

その笑顔にたじろぎながら頷き肯定を表すエース。

『何が聞きたいの?今なら包み隠さず話してあげよう』

「異界の旅人って何だ?それにお前の手配書ALIVE ONLYってどうゆう事なんだよ」

『うん。異界の旅人ってのは、異世界から現れた、この世界の住人ではない人間の事。で、その異界の旅人であるあたしが悪魔の実の力まで持ってるから、海軍とか世界政府の奴等はあたしを捕らえて、情報と力が欲しい。だからあたしは生きたままの連行、ALIVE ONLYってわけ』

「異世界なんて、ほんとに…あんのかよ?…」

『あたしの存在がその証拠。この世界にはあたしの生まれて過ごした証拠は何一つ存在しない。この船にのる家族達、傘下の家族達、あとは赤髪海賊団以外のあたしの味方は誰一人いない。本当の家族も兄弟も、今までのあたしを造り上げた友人さえもこの世界にはいないからね』

「なぁ、そんな誰もいない世界に突然きて、大丈夫なのか?」

『覚悟をしてきたもん。この世界に堕ちる前に、この世界で生き抜く術を与えてくれた人といた時に。生き抜く為に人を殺める事も、自分が傷付く事も、全部全部。覚悟を決めてこの世界にきたの』

「そんな覚悟してまで、何かあんのか?」

『この…暖かい、心が暖まる場所を守りたかったの』

「この船の奴等をか?」

『うん…』

「ルカ、あんま潮風に当たると傷に触るよい。もう少ししたら中に入っとけよい」


『はーい。わかったよー』

間の抜けた返事をし手を振る。

『ね?皆、心配なんてもうしてないみたいに見せて、皆過保護で、いつもあたしが寂しくないように、全てを語れないあたしに何も聞かずに傍に寄り添ってくれる…こんな素敵な場所守れるなら、あたしはそれだけで立ち向かえる。さて、これ以上忠告むしすると拳骨が落ちるからあたしは行くね。』

「お、おう。悪かったな…」

『いいえー、あたしも久しぶりに真面目な話した。ねぇ、エース?』

視線だけで、先を促すエースに次の言葉を向けた。

『この船にいる誰もが、エースの何かを一緒に背負っても崩れたりなんてしないよ?だから、そろそろ気付きなよ』

にっこり微笑んで、ルカは船内へと消えていった。

「んな事くれぇ、もうとっくにわかってらぁ…」

顔を腕に埋めて小さな声で呻くようにこぼすエース。

それでも、急に尻尾を振って近付いていける程、幼い子供でもなくて、
完璧にタイミングを失ってしまったエースは一人頭を悩ますのだった。

そして、今日も白ひげに闘いを挑む。



渦巻く心と暖かな場所

(お、100回いったか?)
(あぁ、いったな…)
(おーい、ルカいねぇから誰か引き上げてやれー!!)
(ん?もうそろそろ…だね)
(どうした?ルカ?)
(あ、何でもない!!ほら、早くこの書類サインしちゃってよ!!)
(わ、わかってるよ!!)
(わかってるなら、ギリギリまで書類貯めないでよ!!)


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