travel-18




ただいま絶賛隠れ中です。

……どこって?

どこに隠れてもすぐ見つかりそうだから
親父さんのマントの中です。



「おめえ、そんなとこで暑くねえのか?」

『大丈夫ー!!どさくさに紛れて親父さんにくっつけるしねっ!!』

「グララララ、随分甘ったれた娘だな!!」

『あ、親父さん!!誰かきたよ!!シーだよ、シー』

「あぁ。(あんだけ言ってたわりに、楽しんでんな)」

「だぁーーー!!どこいんだよ!!全然見つからねぇ」

「サッチか…まだ見つからねぇみてぇだなぁ?」

「あぁ、気配もつかめねぇよー。あいつ隠れたら、質わりーや」

話していると、他の隊長達もぞろぞろ甲板へ出てきた。

「船内のどこ探してもいないねえ」

「あいつどこ隠れてんだよい」

「もー!!全然見つからないよー!!」

「親父は知ってんのか?」

「あたりめぇだろ!!グララララ、娘の居場所くれぇ把握できねぇとなぁ!!」

「「さすが、親父だなっ!!」」

「にしても、ホントに見つからないね」

「これ、どーすんの?」

「うーん。もう一通り探して、隠れる場所の見当もつかねぇーよー」

「…………?」

「サッチ?どした?」

「こりゃ、俺の勝ちで決まりだなぁ」

「はぁ?」

そう言って、白ひげの横に立っていたサッチが近寄り

「親父、ちーっと前に移動してくれよ!!」

「あぁ」
楽しそうに笑みを深め座っていた位置から少し前にでると、さっちがマントをめくり

「やっぱりな!!みーつけたっ!!」

「「はぁっ!?」」

全員で近寄ると、そこには親父のマントにくるまり眠るルカがいた。

「おめぇらがいつまでも見つけねぇから、待ちくたびれたんだろ!!」

「くっそー!!なんでサッチなんだよ!!フランスパンのくせして!!」

「くぉらっ!!ハルタっ!!リーゼントは関係ねぇだろがっ!!」

「こら、ハルタ。勝負は勝負。諦めろ…不服だがねぇ」

「じゃあ、ルカは4番隊所属で決定だよい」

「うっし!!やったぜー!!」

「じゃあ、せめて俺が部屋まで運ぶとしようかねー」

「なにぃ!?俺の隊なんだから、俺がつれてく!!」

「別に所属決まっただけで、可愛がっちゃいけないとはきまってないだろ?」

ぐしゃっと、イゾウにリーゼントを握り潰されたサッチは雄叫びをあげる。

すかさず、ハルタの鉄拳がサッチに落ちる。

「うるさいよ。ルカが起きる」

「ハルタ…普段はルカより年下にしか見えないが、今だけは頼れる兄に見えるな」

「ちょっと、ビスタ。心外なんだけど。僕はいつでも頼れるお兄ちゃんだよ!!」

「じゃあ、ルカは自室に連れてこうかね」

「あぁ、頼んだよい。」

「じゃあ、俺らは夕飯まで時間潰そうかな…」

「親父ー、酒付き合うぜ!!」

そう言って、夕飯までの時間隊長達は親父を囲み、酒を酌み交わしていた。

そこへ突然見張り台から響いた声で
一気に緊張が走った。


眠り姫は夢の中


(何だって今なんだよい!!)
(まぁ、いい。迎えろ!!)

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