Amor-6
その後、大将の襲撃を警戒していたルカ達だったがその心配は懸念に終わり安堵の表情を見せて夜も更けた頃にモビーへと帰って行ったのだった。
それから、朝になりルカはナースのエリザとミシェルと肩を並べて街へと繰り出したのだった。
案の定、ナースにルカを奪られたエースの嘆きが見送る船員の中から響いていた。
「それで?麦わらくんのところにいたんでしょう?どうだったの?」
街を眺めて歩きながら問われたミシェルからの言葉にルカはくすっと笑いを溢して言った。
『うん、そうだなぁ…取り敢えずエースと本当によく似た子。それに凄く、凄く人を惹きつける。この子ならって気持ちにさせられる。不思議な子だった』
「ルカの世界ではその子が主人公だったんでしょ?」
エリザの言葉にルカは頷く。
『うん、ルフィが主人公で。東の海のルフィとエースの故郷をでたところから、あたしの世界の物語は始まってたよ?そこから東の海を旅して赤い大陸を越えて偉大なる航路に入って。そして冬島に入った彼らとあたしは出会って、そこからずっと一緒にこの海まで…』
ついこの間、訪れたばかりのこのシャボンディに今は家族の誰1人かける事なくやってきた今を一緒に守ってくれたのは紛れもなくルフィで。
でもそのルフィは仲間たちと離ればなれになりながら今はレイリーと共に修行を重ねていて…申し訳ないなとそう思う反面でルカにとって彼らにはこの時間はきっとなくてはならないモノなのだと信じていた。
都合がいい。とかそんな事関係ない。
彼らにとってこの強くなるための時間がきっとこの先の海を進む上で必要なことだと。
彼らはまだまだ自分よりも弱いのだ。
きっとそれでも彼らは自分とそしてエースやこの白ひげの船の人々を越える程に強くなる日が訪れる。
その時をルカは心待ちにするのだった。
『さてと、じゃぁ今日は思う存分お買い物でもして楽しもうよ』
そう言って一歩先へと歩み出たルカか彼女たちへと振り返り告げる。
それに二人が笑みを浮かべて頷けば3人仲良くまた並んで足を踏み出したのだった。
ブティックへと足を踏み入れた3人はそれぞれ好みの服が置かれた場所へと足を踏み出す。
服を買い、小物を買い。荷物を通りかかったサッチとエースに無理やり預け、3人は又街へと踏み出す。
その後ろ姿を見送ったエースとサッチは微笑み顔を見合わせる。
「ったく、あいつらには敵わねぇな?」
そう言ったサッチにエースが頷く。
そうして船へと踵を返したのだった。
街へと戻った3人はそのまま喫茶店へと足を向ける。
店内へと入ればテラスへと足を向けて一番端のテーブルへと腰を落ち着かせる。
飲み物を頼めばそのまま談笑を始めた3人。
話の内容はルカが船にいない間の出来事。
サッチがどうした、ラクヨウが何をしでかした、オヤジさんの事、ハルタの事、イゾウの事、ショーンとラルフの事。
とにかく話す内容は沢山あった。
そうして積もる話をして笑う3人の元に響いた声に3人は固まった。
「楽しそうだねぇ?ルカちゃん」
声とともにルカの隣に腰かけたのは。
『青キジ・・・・・・・』
「数日ぶりぃ?あぁ、大丈夫。捕らえにきたわけじゃないからさ?」
微笑んで告げられた言葉に眉間に皺寄せるルカ。
訝しげに相手を見据えて探るように目を合わせる。
『大将が何の用なのよ…』
きっと睨みながら青キジを見るルカに青キジは喉を鳴らし笑う。
「いや、たまたまね…サボリに来たら可愛い子達がいたからさ?声掛けないと損しちゃうだろ?」
『しないわよ、ていうか…あんた又サボってんの?少しは仕事しなさいよ。逃げ出した囚人沢山いてそれどころじゃないんじゃないの??匿名で海軍本部に連絡でもしようか?』
はぁっと溜め息をつき告げたルカの言葉に青キジが”それは勘弁してよ”と返す。
『まぁ、いいよ。取り敢えず楽しい気分台無しにしたんだからここの支払い位してよね』
言って伝票を渡したルカに苦笑いを浮かべてそれを受け取った青キジが席を立つ。
『2人供直ぐ船に戻ってマルコに伝えて』
こそっと2人に言えば、戦闘員でないナースがここにいて何かあればと思えば守るべき自分たちがいない方がいいと感じ取り、頷くと早々に2人はその場を後に船への道を走り出した。
その間にルカもこの場を離れようと歩き出す…がそれを遮るようにルカの腕を掴んだのは…
「なぁによ…どこ言っちゃうの?折角会えたんだ、少しデートでもしようぜ?」
『やだよ?デートに連れ出されたのが海軍本部なんて笑えない』
にっこりと返した言葉に青キジが笑う。
「大丈夫、今はこんな大物捕獲してどうのしてる余裕俺らにはないからさ?」
そう言って笑った青キジがルカの腕を引いて歩き出す。
方角は街中。
「デートしようよ、折角だ」
氷点下は何を思う
(は?あんた本当に頭沸いたの)
(相変わらず失礼だよねぇ悪いようにはしないよ)
(はぁ、わかったわよ)
(青キジ?…ってあいつ何やってんだ)
(あ?サッチどうした?)
(おい、エース来い!!!!)
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