Amor-7



『(あれ、何でこうなってんの…)』


心の中ルカが思うのは今のこの状況唯1つ。


「ルカちゃーん、何処か行きたい所ある?」


気怠そうに尋ねるその男を見上げて眉を顰めたルカは真顔のまま聞いた。


『え、何これは…もう決定なの?あんたとデートとか…』


”え、嫌なの”なんて不思議そうに返してきた海軍大将青雉に、ルカは片手を額へと宛てはぁ、と溜め息をついたのだった。


『(そうだ、こいつこんな自由な奴だったんだよね…何で忘れてたのよ)』


仕方なし、と顔を上げて青雉を見上げるとふん、と鼻を鳴らして告げた。


『取り敢えず、シャボンディパーク…それからショッピング。お金は全部あんた持ちね』


そう言って顔を背けるとルカは先に足を踏み出し、歩き出す。
その背を見つめて青雉は嬉しそうに笑みを浮かべて追いかけるのだった。


「ルカちゃん、待ってよぉ〜」

『待たなくたって直ぐに追いつくでしょ』


切って捨てる様に返したルカの言葉に青雉は笑い、ルカもぷはっと噴き出す。


ほら、行こう。と言って並んで歩き出した2人の後ろでぎりぃっと歯を噛み締めるのは。


「おい、エース、船に直ぐ連絡だ」


振り向いたサッチの視界に飛び込んだのは


「オヤジ!!!直ぐに対策本部を!!」


電伝虫片手に怒鳴り散らすエースが其処にいた。



そうしてそんな騒ぎが起きているとは知る由もないルカはと言えば


『ほら、あんた早く来なさいよ』

ちょいちょいと青雉を手招きし先を歩いてシャボンディパークを進むのだった。


「ルカちゃん、歩くの早い…」

『は?あんた何言ってんの?足の長さ考えたらあんたのがどんだけリーチあると思ってんの?真面目に歩きなさいよ』


ルカの言葉に、”はいはぁ〜い”なんて間の抜けた返事を返した青雉にルカは早く、早くと腕を引っ張り、其れに青雉は笑みを浮かべていた、その視線だけは少しだけ後方をみやり。


「なぁ、あいつ俺らに気付いてねぇか?」

「見てるよな」


言い合う2人は眉を顰めて目を合わせて後を追った。



その頃モビーでは、と言うと、白ひげの部屋に各隊長達がぞくぞくと集まっていた。


「オヤジ、どうかしたのかい?」


尋ねたのはイゾウ、それに愉しげに笑みを浮かべて応えたのは白ひげだった。


「今なぁ...ルカが青雉に連れられてシャボンディパークであそんでらぁ‥グララララ、さぁおめぇらどうする?」


そう告げた白ひげは、サッチとエースが尾行している事も付け足した。


「そりゃぁ....面白そうだ、俺は様子見にシャボンディパークへ行くぜ?」

「俺も行くよい、あいつらだけじゃ心配だ」

「えぇ〜じゃぁ、僕も行く!!」


イゾウ、マルコ、ハルタが現場へと行く事となり船を降りた。


残った面々は尾行する兄弟と船を降りた兄弟を思って笑みを浮かべていたのだった。




そしてその頃...ルカは、と言うと。


『ねぇ...青雉、あたしアイス食べたい』


青雉にたかっていた...。



青に混ざった銀と橙

(何であいつあんな平然としてんだよ…)
(知るかよ、寛ぎすぎだろ)
(たかってんなぁ)
(俺もアイス食いてぇ...)
(あ、そあういやぁ今からこっちにマルコとイゾウ、ハルタがくるらし...って、エース!?)
(青雉〜!!俺にもアイス奢ってくれっ!!)
(えっ....何やってんの!?あの子!!!!!)

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