savior-9
ルフィとライ、イワンコフ、イナズマが動き出した頃。
インペルダウンlevel4にある監視室と併設された看守室には動揺が広がっていた。
そして、一人の看守が署長室へと駆け込んだ。
「署長!!大変です!」
「何だ。騒々しいっ!!俺はこれから護送の為level6へ向かわねばならんのだ」
「そ、それが…level5にて投獄した筈の麦わらのルフィが!!数年前鬼の袖引きにより姿を消した革命軍幹部エンポリオ・イワンコフと同じく革命軍のイナズマ、そしてあれ以来行方の掴めなかった紅の騎士を伴いlevel6へ向かっているのです!!」
「何だとっ!?あれだけの毒を受けて動ける筈が!?それに、紅はまぁいいとして。何故イワンコフとイナズマが!?」
「そ、その辺りはわからないのですが…署長!!どうなさいますか!?」
「くっ…俺はこれから火拳を連行しなくてはならん。電伝虫にて指示を出す!!何としても麦わら達を止めろっ!!」
インペルダウンが又混乱へと飲まれていく。
その頃、ルフィ達はといえば。
「邪魔すんじゃねぇっ!!」
「デス・ウインク!!」
『雑魚共は黙って道を開けろーー!!』
level6へと降りる階段を看守達をなぎ倒しながら駆け降りていた。
「イワちゃん!level6はまだか!?」
「まだよー!!」
目の前に立ち塞がる看守達を次々と倒す。
そして
『ルフィ!!見えたぞっ!!」
ライの声に最後の看守を殴り倒すと見えてきたlevel6への入り口。
雪崩れ込むようにlevel6へと足を踏み入れた。
「おい!!エース、どこだっ!!?」
「まぁ、待つっちゃぶる!!こいつに聞くのが早い!!」
そう言ったイワンコフが一人の看守を放り出すとエンポリオ女ホルモンを注入。
女へとなった看守はイワンコフに何故かお礼を伝え、エースの檻は奥にあると告げる。
言われた方へと迎い走り出した。
「エース!!ハァ…ここか?いねぇぞ!?おい!!本当にここか?」
看守へと言うも間違いないと返されたルフィだったが。
「(この小僧…麦わら!?エースさんの言ってた!!)エースさんは今しがた連れていかれたばかりじゃ!!まだ追えば追い付ける!!」
「ん?誰だ?お前…まぁいいや!!ありがとう!!」
くるりと方向を変えて走り出したルフィがライの隣を走り抜けるとそれに続いてイワンコフとイナズマも走り出したのを見送るとライは振り返りジンベイへと視線を向けた。
「………?お前さんもあの小僧の仲間じゃろ?行かなくていいんか?」
『すぐ戻る。ちょっと待ってろよ!ジンベイ!!』
ジンベイを見てニッと笑いかけると、背を向けて走り出す。
「……なんじゃ、変な奴だのう…」
不思議がるジンベイの元へ声が響きだした。
「クハハハハハ…。本当に来やがったか…あの糞ガキ!!面白くなってきたなぁ…クハハハハハ!!」
突然笑いだしたクロコダイルに訝しげな視線を送るとジンベイはまた4人の去っていた方を見据えた。
「うぎゃぁぁ!?あ、危なかった…ライ、サンキューなっ!!」
そう告げたルフィに微笑むとライは埃をはたく。
「リフトが落とされたとなると、今降りてきた階段で上がるしかない」
イナズマの言葉にまた4人は階段へと向かうが階段が近づいてきた時。
突如階段に柵が降りてきて行く手を阻む。
更に追い討ちをかけるかのように何かのガスが漏れだした。
……………………………………………………
【level6へ催眠ガス注入完了致しました。電伝虫の映像も途絶えてしまいましたが、これより麦わらのルフィ、紅の騎士、イワンコフ、イナズマ。4人の確保へ向かいます!!】
「っ!?ルフィ!!」
「麦わらがlevel6へたどり着いたようだが…奴もこれで終わりだ。一足遅かったなぁ?」
マゼランの言葉の後、エースは周囲の看守達を海楼石の錠で囚われていながらも蹴りを繰り出して地にふせていくと今降りたリフトへと走り出した。
が、すぐにマゼランにより阻まれてしまう。
「(ルフィ!!何で、何で来たんだ!それに、紅って。ルフィの船にいたライの事だよな…何であいつまで…)」
苦悶に歪めた顔でエースはルフィの名を叫ぶが、無理矢理立たされてインペルダウン入り口へと向かわされる。
………………………………………………………
「何だよ!?これっ!!」
「ヴァタシ達をここから出さないつもりねぇー!!」
「そんなっ!!エースがいっちまうよ!!」
怒鳴るルフィにライが羽ばたく事で風をおこしガスを押し返す。
そこへイワンコフがイナズマへと指示を出して、階段を塞ぐ。
「どうすんだよ!?俺、エースを助けなきゃいけないんだよ!!」
「どうするって言っても、もうビブルカードも真上を向いてないんじゃない?ここインペルダウンで助けるのはもう不可能。あとは白ひげに任せる他はない」
イワンコフの言葉にビブルカードへと視線を落としたルフィ。
それを少し離れた場所で腕を組んで見守るライ。
「大丈夫よ。白ひげは仲間の死を許さない。エースボーイを必ず海軍本部で救い出すはず「俺もいく」そう、俺も…って、?はぁっ!?」
「俺も行くよ!!海軍本部!」
「あんた!?本気で言ってんの!?海軍の全戦力が今集まってんのよっ!?そんな場所にあんたが一人行ったって!!『俺も行くから、平気だよ』はぁっ!?」
『ここからが、俺の本領発揮だ。ルフィを必ず守り抜いて。エースも助ける。問題ない』
ライとルフィの真剣な様子を見てため息をつくイワンコフ。
「行くって言っても、どうすんのよ!?ここから出られないのよ!?」
そう言ったイワンコフにライがにっこり笑いかけると1つの檻の前へと歩みだした。
『久しぶりだな。暴れたいだろ?迎えにきたぞ…』
その声にルフィとイワンコフが訝しげに檻へと目を向けると。
「クハハハハハ…本当に地獄に迎えに来やがったか!!おもしれぇ、俺の能力があればここから出られるぞ?てめぇもそれが目的だったんだろ?さぁ、俺をここから出せ!」
クロコダイルを視界に入れたルフィが憤慨する。
「ライ!?正気か!!こいつはビビの国を!!」
『もう興味はない筈だ。そうだろ?クロコダイル。ルフィ、この状況を打開するにはこいつの能力が必要なんだよ』
「だ〜いじょうぶよ。出しましょう。イナズマ。」
「でも!イワちゃん!」
「久しぶりねぇ?クロコボーイ?大丈夫、こいつの弱味をヴァタシは1つ握ってる」
「なっ!?てめぇ、イワンコフ!!」
そのやり取りを見ていたライはクツクツと笑うとイナズマへと声をかけた。
『イナズマさん。あっちの檻の彼もお願いできますか?』
その声にルフィとイワンコフ、クロコダイルも視線を向けるとそこにいたのはジンベイ。
「こりゃ、かたじけない。頼む。わしも連れて行ってくれんか!!この戦争、わしは反対したせいでここに入れられとる。エースさんとも知り合ってまだ数年だが大恩ある親父さんの息子。こんなところで死なすわけにはいかんのじゃ!!頼む!!わしも!!」
「あぁ。行こうぜ!!」
そして、ジンベイの檻と拘束していた鎖も外すとルフィの前へとジンベイが歩いてくる。
「俺はルフィ!!よろしくなっ!!」
ニッと笑ったルフィの顔を見て少し目を見開くと
「わしゃぁ、ジンベイだ。そっちの紅い髪の『…ライ。ライだよ。ジンベイ』……あぁ。よろしく頼む」
そうして、七武海の海峡のジンベイと元七武海サー・クロコダイルを仲間に率いれてルフィ達はlevel6を脱出した。
監獄での再会と共闘
(お前さん、どこかで会ったか?)
(へ?あ、いや。ないと…思うよ)
((あの糞ガキ。白ひげじゃなかったのか?))
(おーい!!早く行こうぜ!!)
(ちょっと待て!!俺も着替えてーんだよ!!)
(あ、そっか。お前看守の服のまんまだったもんなぁー!)
((不思議な奴等じゃの…))
(おい。てめぇは本当は何もんだ?)
(ん?内緒だよ。マリンフォードまで。ネタばらしは最小限に抑えないとだからね…ククク…)
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