「ふわぁ〜ぁ。ねむ…」
「最近よく頑張ってるのね」


大きな欠伸を目撃され、曖昧な笑顔を浮かべていたところ、ロビンが綺麗な笑みを浮かべながら言ってくれた。


「うん!白ひげのみんなに凄く良くしてもらってるから、ちゃんと応えなきゃ」
「ふふっ、でもあまり頑張りすぎないようにね」
「うん、ありがとう」


ロビンは凄いよなぁ…。常に学年トップの成績!だからこそ凄く努力もしてるんだと思うけど、ロビンが授業中に寝てるのなんて見たことないし…、わたしには真似出来ないや。


「苗字さん、白熊君が呼んでるよ」
「白熊君?」


突然クラスの子がやって来て、そんなことを言われたので、白熊という名前の知り合いを頭に浮かべようとするが、はて、そんな子いたかな…?

教室の扉の方を見ると、あぁ!と納得出来た。だって本当に白熊だったんだもん。
すっごくニコニコしながら手を振ってる。あの子たしかローくんと一緒にいる子だよね。でも、ぶつかったのは覚えてるけど、話したことはない。

不思議に思いつつもとりあえずそちらへ行くと、名前だよね?と確認された。
つまり、そちらもわたしのことをよく知らないらしい。


「そ、そうだけど、えっと…」
「おれベポ!1C!」
「あ、よろしくね」


そうだそうだ。ベポくんだ、あの時ローくんがそう呼んでいたのを今更になって思い出した。


「えっと…何か用…?」
「あ、あのね!キャプテンから伝言!」
「キャプテン…?」
「うん!トラファルガー・ローだよ!知ってるでしょ?」
「あ、うん!」


そういえば階段でぶつかった時もロー君のことキャプテンて呼んでたような…。って、ローくんがわたしに伝言ってなんだろう?ベポくんはモコモコした手でポケットをごそごそ漁るとそこから小さな紙を取り出しそれを見た。


「えっとね…8月5日空けとけ。…だって」


そんな短い文、紙に書かなくても!というツッコミは心の中にしまっておいて…


「え?それだけ?」


詳細を教えろぉー!!



「うん!あ、キャプテンに名前のアドレス聞いて来るように言われたんだ、だから教えて!」
「あ、うん、ちょっと待ってね、何か紙は…」
「いいよいいよ、口で言って、おれ覚えるから」



おれ暗記力いいんだ〜。と言うベポくんに、だったらさっきの伝言も覚えられたでしょ!と思わず突っ込んでしまった。えへへ。と笑う姿はやはり可愛くてさすが白熊だなんて思った。

わたしが一度アドレスを言うと、同じように復唱するベポくんに本当に暗記力いいんだ。と思わず感心してしまう。わたしのアドレスを繰り返しながらベポくんはじゃあね、と行ってしまった。

い、一体何だったんだ…。いろいろツッコミ所の多い白熊だよなぁ…。

ベポくんを見送って席へ戻るとエースがピラリと紙をわたしの机に置いた。


「ほれ」
「え?何これ」


それは8月のカレンダーで所々に×が書かれている。


「青雉が焼肉奢るっつってただろ?クラス全員が空いてる日探すから無理な日に×付けて回せだとよ」
「なるほど…」


じゃあ…。とわたしはたった今入った予定、8月5日に×を入れた。



「その日なんかあんのか?」
「うん…空けとけって言われた」
「誰に?」
「ローくん」
「……」
「え…?」



エースの眉間に皺がよってる気が…


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