「さぁ〜て!お昼何にしようかしらっ!」
「あ、あんまり高いのはやめてよ?わたしバイトしてないんだから!」
お昼休み、約束通りノジコに奢らなければならないわたしは久しぶりに食堂へ足を運んでいた。
「何よ、あたしがいなかったらどうなってたことか…」
「う」
そう言われてしまえばおしまいだよ。まぁ…、確かにノジコがいなかったら昼休みまで延長してたかもなぁ…
「分かった!好きなの頼んでいいよ。わたしは席取ってるね」
はいっ!とカッコ良く千ベリーを渡しわたしはそのまま席を探しに向かった。
「ふふっご遠慮なく〜」
食堂って久しぶりだなぁ…。普段は教室でお弁当を食べているからお弁当を忘れた時なんかにパンを買いに来たりするだけで最後に来たのがいつなのかも覚えていない。
結構混んでるなぁとかこんなに広かったっけ。とか久しぶりの食堂に少し胸が弾んだ。あたしも後でみかんゼリー買おうかな。
「お!名前じゃねぇか!!」
「あ、ルフィくん」
名前を呼ばれそちらを向けば、こちらも久しぶりなルフィくん。彼は定食の乗ったトレーを器用に三つも持って、綺麗な白い歯をキラリと見せていた。
「久しぶりだなぁ!名前もいつも食堂なのか!?」
「今日は付き添いでね、いつもは教室だよ」
「そうなのか!あ、誕生日プレゼントありがとなぁ〜エースが名前も一緒に選んでくれたって言ってたぞ」
「最後決めたのはエースだよ、わたしはそんな」
そう言い、純粋な笑顔を向けてくれるルフィくんはまるで天使のよう、エースが溺愛するのもわかる気がする…。
「でもいいんだ!ありがとな!」
実は今日も着てるんだぜ。エース同様全開にされているシャツの中のTシャツを見せてくれた。確かに、あの時エースが選んでたやつだ。
「よかったね」
「おーいルフィ!!早く来いよ!!」
騒がしい食堂の中でもハッキリと聞こえたルフィくんを呼ぶ声、その方向を見るとウソップくんがこっちだぞー。と手を振っていた。
「今行くー!!名前も来いよ一緒に食べよう!」
「うんっ!あ、ノジコも一緒にいい?」
「ナミの姉ちゃんか!いいぞ!」
じゃあ早く行こう!と向かったルフィくんの後をわたしも追う。
「友達の分も運んであげるなんて優しいね」
トレー三つはさすがに無理がある気がするけど…。少し苦笑いを溢しているとルフィくんが、ん?と振り返った。
「これ全部おれのだぞ?」
「えぇ!?そ、そうなの?」
やらねェぞ!とトレーを少し守るようにしたルフィくん。
そういえばアラバスタに行った時も凄いスピードで食べてたな……。それにエースの弟だしね。なんか納得。
ルフィくんの友達にわたしも混ざっていいものかと思ったけど、意外にも何も気にする様子もなく笑顔で迎えてくれた。
「名前ちゅわぁぁ〜ん!!!まさかっ…!まさか僕に会いに〜!?」
「アホかエロコック」
「んだとマリモ!!」
なぜかサンジくんとゾロくんは喧嘩を始めてしまったが…。わたしのせいではないことを祈ろう。
「名前久しぶりねぇ!儲かってる?」
儲かってる?って…
「ノジコに絶賛奢らされ中です」
「あはは!!さすがノジコね!」
「おれはルフィんとこの兄弟よりもこの姉妹の方が恐ろしいぜ…」
とウソップくん、同感です。
左隣でルフィくんは定食三つ、チョッパーくんは小さな桜色のお弁当を黙々と食べていってる。
「あ、いたいた!」
やっと買い物を済ませたらしいノジコがやって来て、わたしの隣に座るよう促した。
「遅かったね〜」
「結構混んでたのよね…」
あ、はいお釣。と渡されたのは30ベリーのみ。
あれ、あたし千ベリー渡したよね?
ノジコのトレーを見ると…普段高くて手が出せない牛100%ハンバーグ定食にみかんパイにプリンまで…
うぅっ……
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