「……あ、なるほど!」
「結構簡単だろぃ?」
「はいッ!!」
「ぐがぁーーー」
「「……」」
日曜日の今日、ついにテストが明日に差し迫った。昨日の口論により、心優しきマルコ先輩がエースにも勉強を教えると言ったのだけど…。
バシンッ!!
「やっぱりお前はやる気がねェよい!」
額に青筋を立てたマルコ先輩が教科書でエースの頭を叩き、痛そうな音が響いた。
なのに眠り続けるエース。
「ハァ…」
一度ため息を吐いたマルコは立ち上がると、エースのシャツの襟を掴みズルズルと隣の部屋へ投げ込み、バンッ!と扉を閉めた。あまりの手際のよさにわたしが感心していると、マルコ先輩は申し訳なさそうな顔で悪いな。と言った。
「わたしは全然!!気にしないで下さい!」
悪いのはエースですから!と言えば、だな。とマルコ先輩も苦笑いを溢した。
「にぃぃぃくぅぅぅ……!!」
ドカン!バタン!
「「……」」
隣の部屋からする騒音にマルコ先輩の青筋がピクピクと動いている。このままじゃエース殺されちゃうんじゃないかと思うほどで、思わず手に手を添えて、マルコ先輩…!と抑えた。
「…続きやるよい」
「は、はい!」
マルコ先輩に見捨てられたエースは、わたしたちの勉強が終わるまで隣の部屋でずぅーっと放置させておりましたと。
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