今日は文化祭ということで、全学年のクラスが普段よりも早めに登校して準備に勤しんでいるよう。しかし、わたしたち2Aは、クラスでの写真を教室に貼りまくるという簡単な展示なので昨日のうちに全ての作業が終了しており、普段通りの時間に登校。

教室までの道のり、各教室の前にはたくさんの看板があり、着ぐるみを着た人なんかにも出くわす。みんな凄そうだなぁ。なんて思いながら歩いていると


「名前〜!!!」
「うぎゃっ!」


突然ガバリ!と誰かが飛びついてきて、わたしは変な声をあげた。
顔を上げ、にっかり笑った彼の正体は、薄々気づいてはいたけれど、やっぱりルフィくん。

今日の彼はアフロのようなものを被ってヒョウ柄の服を着ていて…、なんだか…おばちゃん…?


「おはようルフィくん」
「おはよ!名前!!おれな!舞台に出るんだ!見に来てくれよな!」


ルフィくんのクラスは麦わら劇場という舞台発表をするんだそう、ルフィくんが出演がするのは“OBAHAN TIME”というものらしく、題名だけでここまで観たいと思わせてくれるとは、と驚いた。


「絶対観にいくね!!」
「おぅ!待ってる!」


んじゃな!シシシッ!と行ってしまったルフィくんを手を振って見送った。




教室につくと、みんな立ち話していたり、飾り付けの調整したりしていて、他のクラスよりものんびりと時間が流れているように感じるんだけど、気のせい?


「おはよ〜」
「おはよ名前!ねぇ見た!?」
「な、何を?」


教室に入った途端にクラスメイト達に囲まれるが、この状況から良いことが起こったことがないため、少し身構える。そんなわたしにノジコが紙を持って来てくれた。そのタイトルを見てみれば“美女・男前コンテストノミネート者一覧”の文字が。


「あっ、ノミネート者ってもう発表されたんだ!」


ここにはまだ順位はかいていないけど、校内投票で選ばれた男女各40人がクラス順に載っている。次は一般参加者からの投票も入り各TOP5が今日の舞台で表彰されるのだ。


そこにはもちろん、シャンクス先輩、マルコ先輩、それにエース…


「そうじゃなくて!こっち!」


言われるままに美女のほうに目を通す。


ナミちゃんに、ロビン、ハンコック先輩…

え!?


「わたし!!?」
「そう!」


な、なんで!?

驚きで固まるわたしに対し、みんなは、なんで名前なの…!!とかすごく失礼なことを言ってくれた。


「なんでわたし!!?」


だけど、わたしもその言葉しか出てこない。
そこでノジコが口を開いた。


「んー…あたしの勝手な予想だけどね、あのパンフレットあったじゃない?名前、マルコや火拳とよく一緒にいるから写り込んでるのが多いのよ。それを見てファンが増えたんだと思うわ」


……。じ、自分でも結構写ってるなーとは思ってたけど…!!


「けど、まぁ…。TOP5に入らなかったら何もないんだしね」
「まぁ、そうね」

わたしがTOP5に入ることなんてあり得ないもん、40位内に入ったのはいい思い出になったって思っておこう。


「あ、ねぇ名前」
「ん?」
「前半はマルコ先輩と回るんだっけ?」
「うん、そのつもり」


学校の文化祭が前半部と後半部にわかれている。それぞれ店番などを交替にするためだ。わたしたちの出し物は、ただの展示なので店番なんていらないけど、マルコ先輩は食品模擬店をするって言ってたから、後半は店番があるんだろう。


「だったら後半はわたし達と回りましょ」
「うん!じゃあ交替の放送がかかったら教室に戻って来るね」



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