裏注意*



「ンッ…あっ…」



ギシギシとベッドが揺れ、肌と肌のぶつかる音と、どうにも耐えられない快感に声が漏れ出て慌てて手で口元を押さえた。



「声…、抑えんなよ」
「ンッ……!ひゃぁっっ…!!」



手を顔の横に押さえつけられると同時にいっそう強く突かれて、たまらず大きな声が出た。
そんなわたしにエースくんは満足そうに目を細めると唇を重ねる。
舌が絡み合って、もうどっちのものかもわからない唾液を飲み込んだ。

その間も揺さぶりは止まらず、結合部からの水音も激しく響く。



「あっ…、イッ…!あんんっ…!!」
「っはぁ…」



身体が痙攣するように震える。
まるで自分の体じゃないみたい。
全てをエースくんに支配されている。そんな感覚。

「イッたな」とエースくんが呟いて、束の間、動きが止まる。
その間にも乱れた息を整えようとするけれど、エースくんのソレが抜かれることはなく、すぐに彼の腕が伸びてわたしの背に周り体を起こされた。

座るエースくんと向い合う状態となり、さっきよりも挿入が深くなって奥に当たる。
エースくんにしがみついて、襲いくる快感に耐えた。
それでも僅かに震えるわたしを見ておもしろそうに顔を歪めたエースくんはペロと舌で唇を舐めた。



「名前、これ好きだよな」
「え…?」



よく締まる。

耳元で低く囁かれて、意味を理解した途端、ぶわっと顔に熱が上る。同時にお腹がキュンとして、無意識にエースくんのを強く包み込む。

一瞬エースくんが驚いた表情を浮かべて、すぐにしたり顔を浮かべた。



「やっぱ好きなんじゃねぇか」
「や、めて、言わないで…」



恥ずかしいのに、エースくんの思うままの反応をしてしまう体が憎い。
エースくんが緩く揺すって、その度先端が奥を掠めて、それがじわりじわりと快感として襲ってくる。



「んっ、あ、あっ、あ」
「今日は…」
「んっ、はっ…、あんっ…、え…?…っん」



動きはそのままにエースくんが何かを話した。
顔を見ようと体を起こすけれど、エースくんは難しい表情で胸元に吸い付いた。
もう数え切れない程に付けられているのに、さらに数を増やす。



「サッチと楽しそうだったな」
「サッチ…さん…?」



エースくんの話の意図が見えなくて、襲う快感で考えることもままならない。
今日、サッチさんに料理教えてもらったけれど…。
わたしの反応にエースくんは少し眉を寄せて、胸の先端を甘噛んだ。



「ゃぁっ!」



舐められるよりも強い刺激に襲われて、少しの痛みとともに襲うそれにまたエースくんのモノを強く感じた。




「簡単に気許してんじゃねぇよ」
「ンッ、あっ…、あ…」



打ちつける力が強くなって、それに伴ってスピードも早まる。もう、エースくんの言葉が入ってこなくて、ただ強くエースくんを感じた。



「マルコとも……」





…どれくらい続いたのかわからない。気づいたら、エースくんに包まれて眠っていた。
布擦れの音がして、温もりが離れていく感覚に薄く目を開く。
エースくんがベッドから出てこちらに背を向けて服を着ている。

いつもこうして、何も言わずに出てってたのかな…。

少しの寂しさを感じつつ、閉じそうになる目をなんとか開いてエースくんの後ろ姿を見つめた。
ここではこんなに近いのに…。

服を着たエースくんがこちらを振り返って、慌てて目を閉じるとエースくんの手がわたしの頭に乗った。



「ごめんな…」



そんな言葉にドキリとする。
手が離れて、しばらくするとパタンと扉が締まる音がした。
目を開くとそこには当然エースくんの姿はなくて。

心の中に疑問だけが残る。

どうして…、謝るの。

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