2.5 2人の関係

「うお、相変わらず愛妻弁当かよ、まったく、羨ましいな〜」
「なんだよ、やんねぇぞ」

昼休み、隣のクラスのサッチが昼飯を持っておれのところへやって来たが、おれの弁当を見て目付きを変えたことに気付き慌てて手で隠す。
サッチはおれの隣の席から椅子を取ってくると座った。

「B組の名前ちゃんだろ?ほんっと羨ましいよな、なぁ頼むからおれにも紹介して」
「無理」

名前はおれの幼なじみだ。家が隣で小中高同じ。
昔はただの泣き虫でおれの後ろをついてくるだけのやつだったのに、いつからか可愛いとか美人とかそういう類に入れられるようになり、性格の良さも相俟って男からそういう目で見られることが多くなった。
一緒にいるノジコも美人に入るからか、この2人はB組の華とまで言われている。名前本人は全然気付いてないけど。
だから余計に心配なんだよ。

今だってクラスメイトが話してる会話に眉間に皺が寄った。

「B組のさ!名前ちゃん!いいよな」
「あぁ、でもあの子ってエースの彼女だろ?」
「いや、それが付き合ってないっぽいぜ、今日あの3人の会話聞こえてさ、本人が否定してたんだよ!」

「おれは行くぜ!」なんて言ってやがるクラスメイトを殺す勢いで睨みつける。

名前とおれが付き合ってるって噂が流れてるのは知ってる。むしろ良いことだ。
なのになんで否定すんだよ名前のやつ…!!おれだってそこそこモテるのに、長年一緒にいるせいかあいつはおれを意識しようともしない。

「いいよなぁ〜、おれなんて毎日コンビニパンだぜ?」

まだサッチとの会話が続いていたことを忘れていた。「自分で作れば」と言えば「それは違うんだよなぁ」と返される。

「やっぱさ!入ってる愛情が違うんだよ!って聞いてんのかエース!?」

弁当を食べ終えたおれは名前のクラスに行くことにした。


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