昨日の宴の後片付けも終わり、部屋でのんびりと過ごしていたところ、マルコから呼び出しがあった
「魚人島に?」
「あぁ、ジンベエの話じゃ最近海賊の出入りが増えたらしくてよい。まだ目立ったことは起きてないらしいが、それも時間の問題だろうからオヤジが顔見せに行くことになったんだよい」
マルコは机に海図を広げながら続けた。
ジンベエは昨日からうちの船に泊まってて、このまま魚人島まで一緒に行くんだそうだ。
「魚人島を出て、そのまま前半の海にも行くことになりそうだよい」
「そうなんだ…!」
マルコが広げた海図を見てみればそれは前半の海のもの、魚人島からシャボンディ諸島、海軍本部なんかも書かれている。
一応、わたしの生まれ故郷も前半の海にある島、名前は全く思い出せないけど、景観とか、少しなら記憶はある。
この船に乗ってからは前半の海には数回しか訪れていない、魚人島には何度もお邪魔してるんだけどね。
「もちろんシャボンディにも行くわけだ…」
「あ……うん」
シャボンディ諸島は治安の良くない場所が多い、人身売買なんかも黙認されてるらしくて、天竜人もよくやって来るらしい。
今までにも何度か停泊はしたけどわたしは上陸はさせてもらえていなかった。
危ないっていうのは何度も聞かされていたし、みんなに迷惑掛けたくないっていうのもあったから、全然よかったんだけど…。でも、船から眺めるシャボンディ諸島はとっても煌びやかで一度は行ってみたい憧れの場所だった。
「今回は上陸を許可するよい」
「ほんとっ!?」
わたしの驚く声にマルコはフッと笑うと頭に手が降りてきた。ポンポンと叩くと、今度は小さめの地図を取り出した。
「絶対にこのエリアには行くなよい」
その地図はシャボンディ諸島の地図で、ザッとマルコが1〜29番グローブを指で囲む
そこは所謂無法地帯、海賊や賞金稼ぎ、人攫いなんかもうじゃうじゃいるらしいところ
ここは避けて行けば良いんだね。と地図をキュッと握った。
「ありがとう…!!」
「あぁ」
マルコの部屋を出てよしっ!とガッツポーズを決めた。
初めてのシャボンディ諸島…!!
考えただけでも頬が緩んでしまう。
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