昼下がり、遅めの昼食を取りに食堂へやって来たぼくの目に映ったのは、いつもの席で何か考え事をしている2人の姿。

名前は少し上を向いて、エースは手の上に顎を乗せて。少し離れているここからでも、んー??と声が聞こえてきそうだ。

2人でそんなに悩んで一体何の話をしているのかと、ぼくは近付いてどうしたのさ?と問いた。



「「あ、ハルタ」」



見事なまでにかぶった2人、顔を合わせてクスッと笑うと名前はえっとね、と口を開いた。



「サッチっていつからリーゼントなんだろうって話してたの」
「は…?」
「気になるだろ!?子供の頃からあんなんなのかな!?って!!」



そうかな。と首を傾げたぼくにじゃあハルタは知ってんのか。とエースが言う。いや…、知らないけど。と言うか気にしたこともなかった。



「んー。わたしがここへ来た頃はすでにリーゼントだったし…」
「おれも!」
「言われてみれば僕もかもしれない…」



たしかに、いざ考えてみるといつからなのか分からない。ぼくがここへ来た頃もすでにリーゼントだった気がするし…



「「「んーー…」」」



今度はぼくも含めて3人の声がかぶった。クスクス笑うとハルタも座ったら。と正面の席を指してくれて、ぼくもそうだねと返してそこへ座った。



「ハルタが来た頃より前ってなると相当だな」
「サッチより前からいるってなるとジルとか?」
「ううん、ジルさんはサッチより後に乗ったって言ってた気がする…」



あぁ、そういえばそうだったね。あの成りでサッチより後だっけか。



「3人で、何してるんだい」



突然後ろからかかった声に振り返れば右手に煙管を持ったイゾウがふぅと煙を吹き出してぼくらを見ていた。



「お、イゾウ!お前はさ、サッチより先にここへ入ったのか?」



エースの質問に、は?と顔を顰めたイゾウ、名前が事情を説明するとあぁ。とまた煙管を咥えふぅと一息吐き出した。



「おれも長いことこの船の世話になってるが、サッチのが先にいたねェ」



あー。サッチって意外に古株なんだな、良い年こいていつまであんな子供みたいな性格してんだとも思えて来た。宴だと無駄にはしゃぐし、いったいあの体力は中年のおっさんのどこから来るんだろうか。

ぼくがそんなことを思っている間も名前とエースは必死で考えていて、その様子を見たイゾウがフッと笑みを溢した。



「マルコあたりに聞いてみりゃどうだい」




イゾウの一言に、マルコなら知ってそう!と声を上げる名前とエース。うん、それが早そうだ。



「そういやマルコって一体いつからこの船に乗ってんだろうね」

「「……」」



ぼくの一言に固まった2人、一拍子遅れて、んー!と考え始めた。



「そういえばいつからなんだろう?」
「つか、マルコって何歳?」
「えーと…。3,40代くらい…?」
「え、マジ?」
「いや、知らない」



知らねぇのかよ!エースの突っ込みにあははと笑う名前。その時ぼくとイゾウは視線を合わせていた。口パクで知ってる?と言えば横に数回振られる首。イゾウ知らないのか…。いや、ぼくも知らないんだけど…。

あのおっさん、そういや一体何歳なんだろう…?



「どうした?そんな面子で首捻って」



ドサリ。テーブルに置かれた大量のクッキーに飛びつくエース。それを持ってきたリーゼントは不思議そうにぼく達を見ていた。



「サッチはマルコの年齢知ってる?」
「マルコ?あー、何歳だろうな。おれがここに来たのが20年くらい前でそん時からいたからな」



20年前か…、その当時エースと同じ歳だとしても現在は38歳か…。まぁ飽くまで推測だしそれ以上かもしれないけど改めてマルコのおっさんさを実感した。



「もしかしたら100歳越えてんじゃね?」



サッチの一言にみんな一瞬固まったが、ないないない!と顔の前で手を振った。サッチはいやいやマジでと話を続ける。



「だってあいつ不死鳥じゃん、もしかしたらオヤジより歳上かも…!!」



あー。と確かに納得出来る部分はあるがマルコがオヤジより歳上なんてなぁ、ぼくは悪魔の実のことなんてよく知らないけどあり得ることなのかもしれない。でも年下のことあんなに尊敬できないでしょ。

いつものマルコとオヤジの姿からはそんなの全く想像できないなぁ。そういえばあの2人の出会いがどんなのだったんだろう、マルコはずっとオヤジについてきてるらしいけど、最初はエースみたいな感じだったのかな。



「ま、まぁ、良いじゃん…!オヤジより歳上でもマルコはマルコだし、うん」



1人で納得しちゃった妹に弟も、そ、そうだな!となりまたクッキーを頬張り始めた。サッチは面白くなさそうにちぇ。と呟いた。ぼくは昼食を取りに食堂に来たことを思い出しサッチに昼食をお願いした。

まかせろー!と厨房へ向かったサッチの後ろ姿を見てあれ?と思う。


話、逸れすぎじゃないか?


[ 83/130 ]

[*prev] [next#]


もくじ



×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -