「やべぇ寝すぎた…」



いつものように朝飯中に眠りに落ちてしまっていたおれ。起きたら既にみんな上陸したみたいで、誰も、サッチさえもいなかった。

今おれは走ってる。
なんでかって?名前がまだ洗濯場にいねェかなと…。



「やっぱいねェか…」



綺麗に洗濯された服やパンツなんかが全部干されていて、そこに名前の姿はなかった。



「名前〜どこだぁ〜?」



今日は何かするとか何も聞いてねェし…、部屋にいんのかな…?

名前の部屋へ足を向かわせようとしたその時



「名前さんなら、ナース達と島に降りたみたいですよ」



その声にゆっくりと振り返ると干してある洗濯物の間からキトの姿が見えた。
さっきもマルコに言われたことも気になってたし、そうか。とすぐに踵を返し、船内に戻ろうとするとまだキトは続けた。



「名前さんって…」



それに振り返って反応すると奴は笑顔を見せた。



「素敵な人ですよね。」
「あぁ」
「おれ、好きになっちゃいました」
「ハァ!?」



思わず眉間に皺が寄る。
な、何言ってんだこいつ
するとキトがクスクス笑った。



「反応大きいですね」
「なっ、そ、そんなのマルコが許さねェぞ!」
「マルコ隊長は関係ないですよ。おれ、あなたには負けません」
「おれ!?」
「ククッ、分かってるくせに…」



なんで、バレてんだ…?昨日会ったばっかなのに…



「おれ、本気ですから。だからこの船に乗ったんです」
「なっ!?おれに憧れてるって…」
「嘘です。すみません」



全く悪いなんて思ってないであろう謝り方のキトには腹が立つが、
それよりもこいつは今おれにライバル宣言してんだよな

売られた喧嘩は買うのみだ…!!



「チッ…!おれだってぜっっったいっ!負けねェ!!」
「フッ…ですよね…」



バチバチバチッ!!


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