せっかく島に着いたのに…、名前と回ろうって約束してたのに…!!なんでこうなるんだよぉー!!



「マルコの鬼…」



目の前に積まれている真っ白な原稿用紙の上にバフンッ。と頭を乗せた。するとすぐに頭を掴まれる。



「誰が鬼だって…?」
「すんません…!」










ー数時間前ー



「名前ッ!島着いたってよ!行こうぜ!」
「うん、用意出来たら甲板に行くね」
「おう!」



おれは甲板に出て名前を待つことにした。
甲板に出て、次々に上陸していく船員達を眺めていると、何やらメモを見て顔を顰めるサッチの姿があった。



「サッチ上陸しねェのか?」
「おぉ…エースか、いやぁ食糧の調達に行こうと思ってんだけどよ…、なんでか最近減るのが早ェんだよなぁ…」
「え…」



ダラリ。冷や汗が背中を伝った。



「おぉ、そ、そっか!が、頑張れよ!」

「エース」



すぐにこの場を立ち去ろうと踵を返した所で呼ばれた名前…、今度はダラダラと顔中から冷や汗が流れた。肩に手を置かれ、ビクンッ!と身体が跳ね、恐る恐る振り返ると、素敵な笑顔の……いや、恐ろしい笑顔のマルコがいた。



「ま…マルコ…」
「エース、お前だろい」
「へっ…!?」
「昨日も一昨日も…、夜中にこそこそこそこそ…」



マルコの眉間の皺が深くなった気がした。
や、やべェ…!!



「すんませんした!」



直ぐに直角に身体を折る。と、マルコの手が頭に乗った。
許してくれるのか…!!嬉しさで顔を上げる…と…



「いでででででででッ!!!」



あ…頭が…わ、割れる…!!



「てめェ…原稿用紙100枚、反省文書いて来い。」
「反省文って…いつの時代だよ…「書けるまで上陸はさせねェよい」
「えェ!?」


「エース?」
「名前…!!」



用意が出来たようで甲板へやって来た名前を縋る思いで見つめた。そんなおれを名前は不思議そうに見つめ首を傾げる。



「名前、エースは今から用事があるからよい、今日はサッチの手伝いでもしてくれよい」
「あ、そうなの?じゃあ仕方ないね」



残念そうに笑った名前はすぐにサッチの下へ走って行った。



「何か手伝うことある?」
「じゃあ…調達行くけど一緒に行くか?」
「うん!」



おれはマルコに首根っこを掴まれズルズルと引きずられ部屋へと投げ込まれた。勢いよく壁にぶつかったが、直ぐに立って椅子に座る。だってよ…、マルコが目ェ光らせてる…!



「食べたっつってもちょっとだぞ!!」
「お前のちょっとはちょっとじゃねェだろい!」



ゴンッ!



「ずびばぜんでじだ!」


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