ゴシゴシゴシゴシ…
「も、もういいよ…」
「ダメよ、しっかり消毒しなきゃ」
エースが、わたしの頬をガルバが舐めた!とナースさん達に言ってくれたおかけで先程からしつこいくらいにミラノさんに消毒されている。
「首も少し切れてるわ…」
ミラノさんの手がわたしの首筋に触れ、くすぐったくて身体を捩った。
ナイフを当てられたから少し切れたんだ。
もしあの時マルコが来てくれなかったらどうなっていたんだろう…、油断していた自分も悪いけれど、あのスピードは想定外だった。
「染みるわよ」
トンッと消毒液の染み込んだ布が当てられると、ビビッと痛みが走った。
「いっ…」
ギュッと目を瞑り痛みに耐える。
モビーの方に潜んでいたガルバの仲間達はみんなで倒しちゃったみたいで、被害は何もなかったそうだ。わたしも自分の身くらい守れるようにならなきゃなぁ。なんて思った。
最後に首筋にガーゼがとめられると、ミラノさんの手が頭に乗った。
「これでよし、もうおしまい」
「ありがとう」
手で首元に触れてみる。こんな大きなガーゼ…大げさだよ…。
「ついでに火傷の様子も見ましょうか」
「あ、うん」
左腕を出すとミラノさんの手によって巻かれている包帯がスルスルと解かれていく。
包帯が取られ露わになった火傷。久しぶりに空気に晒されるそれは赤紫色のような痕は残っているけれど、以前のようにグチュグチュとしている訳ではなく、薄いが皮膚は出来ているようだった。
「うん!もう包帯はいらないわ」
「ほんと?良かった!」
笑顔を見せると、よく頑張ったわね、と微笑み返してくれた。
「でも、ちゃんと薬は塗ること、ね?」
「うん!」
まだ薬は塗り続けなくちゃいけないらしいけど、包帯が取れたことでわたしの気分は上昇していった。
「薄く広げてね、塗り過ぎもダメよ」
「わかった、ありがとう」
最後にミラノさんから薬の説明を受けて、ナース室を出た。
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