「「若いねェ〜」」
島へ上陸して行った末っ子二人を、ゆるゆるに緩んだ顔で見送るおっさん達。
マルコパパはちょっと不機嫌な顔してるけどさ。
「あの二人、いつかくっ付くといいよね」
面白そうにハルタが言う。
みんな心の中では思ってたけど言わなかった事だ。
それに、うんうん。と頷くおっさん達。
なんとも変な光景だなこりゃ。
「…ん?」
その時、船の下から何か気配がした。
すぐにマルコを見ると、奴も気が付いていたようで、コクリと頭を縦に振った。
15人……いや、20人か…。
おいおい、そんな人数でどうしようってんだ。
「お前ら、どうやら先客がいたようだよい」
マルコの発した言葉に全員が反応する。
先客。
いわゆる、同業者だ。
向こうが何もして来なきゃ、こっちだって何もしやしねェが、態々気配消してるんだ、何もねェ、なんてことねェだろ…?
「お前ら、何か用か?」
船の下に向かって少し軽い調子で言う、戦闘モードに入るさは敵かどうか分かってからじゃねェとな。
おれが声を掛けたことで、近くにある木や草の陰から複数の男達が出てきた。全員武器を持ってやがる。
「へへっ、バレてたか。まさかこんなところで白ひげ海賊団の船に出会うとはな…」
「誰か一人の首でも持ち帰ればおれたちも幹部へ昇進だぜ…」
「こんなチャンス逃すわけねェだろ?」
全員の口角が上がる、これをチャンスだと思ってんのか。
めでてェやつら。
「白ひげの首、頂くぜ!」
「「おぉぉーー!!」」
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