ドゴォォォォッン!!



「「!!?」」


ナースさん達と談笑していた時、突然の揺れと共に響いた大きな爆発音に驚く。


外から微かに聞こえた敵襲と言う声、わたしはすぐに立ち上がり部屋から出ようと扉に手をかけた。

するとすぐに掴まれる手。


「名前、ダメよ」
「でも…」
「ここにいなさい」


有無を言わさぬミラノさんの強い目、その目を逸らせずにジッと見つめ合う。


すると、外から聞こえてくる刃物のぶつかり合う音、銃声、人の呻き声。甲板の状況が頭に浮かぶ。

みんなは強い、それは分かってる。

わたしはマルコやサッチ、みんなみたいに強くないし、闘えない。
だから、いつも戦闘になりそうだったりすると、マルコに部屋に入ってろ。と言われる。

決して自惚れている訳ではないけど、わたしは能力者だ。水も操れるし、きっと役に立つと思う。もっとみんなの力になりたいのに…。


「そんな顔してもダメ」


掴まれたままの手をひっぱられ元の席に戻される。肩を落とすわたしにミラノさんはフッと微笑み言ってくれた。


「でも、ここに攻めてきたら守ってね?」
「うん…」


そんなのあり得ないけどなぁ…わたしの返事にミラノさんは頭をポンポンと叩いてくれて、手を握ってくれた。

だって、船内への扉には必ずマルコが人を付けるから入ってくるなんてまずあり得ない。


「あたし達は怪我人が出てもすぐに対応できるように手当の準備をしていましょう」
「「はい」」


もう、先ほどまでの優雅な時間はおしまい。ミラノさんの指示でナースさん達も準備を始め慌ただしくなる。わたしも何か出来ないかと言うとミラノさんは顎に手を添えた。


「そうねぇ…、あ、治療に使う器具たち、消毒していってくれる?」



医学の知識のないわたしを考慮してくれ、比較的簡単なことを選んでくれた。











シュッシュッ


指示された通り治療に使う器具を順に消毒していく。外からは微かに戦闘の音…

今は、自分にできる事をしよう。

音だけ耳に入れつつ作業に集中する。すると、すぐに止んだ音。


もう、終わったのかな…?
それにしても…


「…はやいよね…」


わたしがそんな疑問を呟くとナースさん達も、やっぱり?という表情を向けてくる。


「何かあったのかな…」
「敵が相当弱かったんじゃない?」
「きっとそうよ」


みんなで、うんうんと頷いたが、まだ部屋から出るのはやめておこうということになり、また作業に戻った。


「名前ーー!!来てくれー!!」


すぐに聞こえてきた声に驚きつつも素早く反応し、手に持っていた道具を置いた。


「あっ、わたし行ってくるね!」
「えぇ、ありがとうね」


ナース室をでてすぐに甲板へ飛び出した。





「え…!」


そこには、多数の敵の船員が倒れているのだが、まぁこれはいつも通り。

いつもと違うのは、船が所々…

燃えている……。


「名前、悪ィが、船に水ぶっかけてくれよい」


ハァ…、とため息を吐き、手で頭を抑えたマルコに言われ、すぐさま船縁へ向かった。

モタモタしていたら本当に船が燃えてしまう。

急いで海から大量の水をかけた。


シュ〜〜


音を立てたものの、少し焦げただけの木を見て安心する。

こんなこと出来るのって…


「悪い名前!やりすぎちまった」


やっぱり…!!


どこからか申し訳なさそうに首の後ろを掻きながら現れたエース、そんなエースに後ろからゴツンと拳骨を落としたマルコは、またため息を吐いた


「敵倒すのに船壊してどうすんだよい」
「いでェ…」


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