「今日は何すればいい?」
まだ朝飯中だってのに名前からマルコに向けて発せられた言葉。
名前はいつも自分の仕事は把握しているが、それらが全部終わったらマルコに次の仕事を確認する。
他の奴らなんていかに仕事をしないかばっか考えてるってのに、ほんと働き者だ、うちの妹は。
名前の言葉にエースもルイトもおれも、マルコへと顔を向けた。
だが、マルコは名前を見て言う。
「今日は特にねェよい。たまにはゆっくりしろい」
その言葉に誰よりも早くパァッと顔を明るくしたエース、そして、今度は恥ずかしそうに名前を見た。
「じゃあ名前!おれと…「だったら、名前、今日はわたし達とお茶しましょう」
エースの言葉を遮って現れたのはうちのナース軍団と、それを率いるナース長、ミラノ。
こいつらナース軍団は、混んでるのは嫌だ。と、いつも遅めの朝食を取りにくる。
全員が全員名前のことを本当の妹のように可愛がっていて、名前に何かするとこいつら全員を敵に回すことになると、専らの噂だ。
まぁ、名前に何かするやつなんてこの船にはいねェがな。
やっぱ名前も同性にしか話せないこともあるだろうしと、昔からたまにこうして女子会が開かれるのだ。
言葉を遮られたエースは不機嫌そうな顔を見せているが、ニッコリ笑顔を貼り付けたミラノに何も言い返せないよう…。ミラノ怖ェもんな…
「あ…、うん」
名前は少しエースを気にしつつも肯定を返す。するとまた、その言葉にニッコリと微笑んだミラノはマルコへと向き直る。
「というわけですので、緊急時以外ナース室の出入りは禁止させていただきますね」
「よい」
片手を挙げたマルコに頭を下げ、じゃあ名前あとでね。と去って行ったナース軍団。
それを見送ると、エースはテーブルにぴったり顔をくっつけ、こえぇ…。と呟いていた。
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