「エースが仲間になったぞォォォ!!」



宴が始まり、少し経ったところで誰かの叫び声が甲板に響いた。それに驚きつつ声のしたほうを見ると、オヤジの前で隊長達や他の家族達にもみくちゃにされている火拳のエースがいて、少し離れたところからそれを見ていたわたしの頬も緩んだ。


やっぱマルコが何か言ったんだろうな…。ちゃんと決心出来たんだ。わたしだったらきっとマルコみたいに後押し出来なかった。


ぼんやりとそう思っていると、その中にいたマルコがこちらにやって来た。



「ありがとう、マルコ」
「何がだよい」
「彼…決心出来たみたいで良かった…」
「そうだねい…」



そう言うと、いまだに肩を組まれたり、頭をクシャクシャにされている彼の方を向いた。

無表情だけど、あたしには分かるよ、彼が仲間になってちゃんと喜んでる。



「今日はわたしも飲もうかな」
「あんま飲みすぎるなよい」
「わかってる」



わたしは一度騒ぎの中に入りお酒を一瓶調達して隅の方へ移動し、船縁に背中を凭れさせて座った。その時、わたしの横に並ぶように座ったマルコに、わたしの頭にクエスチョンマークが浮かんだ。




「マルコ…ここでいいの?あっち盛り上がってるのに」



オヤジの周りを見れば火拳のエースを中心に大騒ぎしている家族達の姿。でも、ここは隅の方なので酔い潰れた人が寝ていたりと静かな所だ。



「おれがいねェとお前1人で潰れちまうだろい」
「大丈夫なのにー」



と頬を膨らませると、マルコはわたしの頭に手を乗せて、フッと笑った。



「たまにはお前と静かに飲むのもいいだろい?」



そう言われて、なんだか照れ臭くなったけど。嬉しくて、笑顔で頷いた。


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