マルコが出発して、すぐに仕事に取り掛かろうとマルコの部屋へ来たのはいいんだけど…。


「うわぁ…」


机の上は大量の報告書やら書類やらで埋まっていて、今にも雪崩が起きそう。それはかなり困る。取り敢えずまず種類別に分けてこうと慎重に手を動かした

これはオヤジのカルテ…これは報告書…


作業も順調に進んでいた頃、いつもの通り大きな声が響いた。



「名前ー!あいつが燃えてるー!」
「はーい!すぐ行くー!」



小さなため息を吐きつつも部屋を飛び出して、声のする方へと急いだ。



「名前!来てくれ!船が燃えちまう!」



おそらく火拳が暴れて船に燃え移ったんだろう、みんな脱いだ服で火を消そうと頑張っているけれど、逆に服に燃え移ってあたふたとしていた。



「わ、わたしやるから!離れてて」



海の方へと手を向けそのまま持ち上げるとかなりの量の水が船に落ちて来る。


ザッバァーン!


火は直ぐに消え、シュー、と音を立てた。



「よかったー!ありがとな!」
「ううん、後よろしくね」



足早にその場を去り、すぐにマルコの部屋へと戻る。急がないと、マルコが帰ってくるまでに仕事に取りかかれるかも危ういかもしれない。



「えーっと…」



こっちが、戦利品のリスト。で、これは予算リスト…



「名前ー!来てくれー!」



ま、またぁ!?

もう…!中々仕事が進まない…














「お前、良い加減にしろよ!」
「うるせェ!」



甲板に近付くに連れ聞こえてくる口論。予想通り、一人の船員と、火拳のエースが言い争っていた。何事かと近くにいたサッチに声を掛けた。



「エースが船の壁壊したり、焦がしたりするからよ、喧嘩になっちまったみたいでな」



そりゃあ、あんなに船を壊されちゃ怒るよね…、いくらオヤジの命令でも、いつまでもあの状態の火拳のエースを乗せ続けるとなると、船が保たないのは目に見えてる。…って、



「これわたしを呼ぶ意味ないんじゃない?」
「あっ!そういやそうだな!悪ィ、エースが暴れたら名前を呼ぶ癖が付いちまった」



ハハハッと笑っているサッチに呆れた視線を送った。それじゃあ。と仕事に戻ろうとするが、ただの口喧嘩だった2人はだんだんと激しさを増していて、お互い今にも殴りかかりそうだった。



「あいつらそろそろ止めた方がよくね?」
「そ、そうだね…」



サッチは素早く二人の間に入る、サッチが入ったことで振り上げた腕を止める船員。
火拳のエースの拳は自ら止まることはなかったが、サッチがガッチリと掴んで止めた。



「はーいそこまでー、おいお前らこいつら抑えろ」



その一言で周りの船員が2人を抑えた。


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