ガチャ…


扉が開き入って来たのは、天竜人と何やらスーツを着た男性。そしてその男性の手には白色のシーツの様なものが持たれていて、部屋の壁にそのハンガーを掛けた。


「わたくしは失礼いたします」


そう言うと天竜人に一礼して部屋を出て行った。


掛けられた白いものを見れば明らかにウエディングドレスで、今までとても憧れていたそれに、わたしは今までにないくらい嫌悪を覚えた。


「さて、あれに着替えるんだえ」
「…っ、いやよ」


ピクリと天竜人の眉が動いた気がした。すると、ゆっくりとこちらへ近付いてくる。


わたしは身体が震えたけれど、恐怖のあまり、椅子から立ち上がって天竜人から離れた。

足首から出る鎖がじゃらりと鳴り、とっても歩きづらい。


「わちきに逆らうのかえ?」
「……あ…いやっ…」


天竜人の手が腰に付けられている銃に触れた。
ついにわたしは壁に追い詰められ、逃げ場がなくなってしまった。

身体が小刻みに震える。

天竜人は腰から抜いた銃の先ををわたしの額に充てた。


「ひっ…いや、やめて…っ」
「……ハハハハハッ!!いい気味だえ!」
「……えっ」
「わちきを殴った女が怯えてるえーー!」


殺されるわけではないのだとわかりわたしがホッとすると、天竜人は目付きを変え銃を持ったその手をわたしの頭に振り下ろした。
ゴッと鈍い音が鳴り、わたしは床に倒れた。


「いっ……」


咄嗟に頭を抑えると血が手についた。


「何ホッとしてるんだえ?これからいっぱい遊ぶんだえ」
「いっ……いやっ……」


わたしが涙を流すと天竜人はさらに喜んだ。今度は髪を掴まれさっきの傷口をベロリと舐められる。そして軽く吸われた。

気持ち悪い。


そう思っても、抵抗なんて出来なくて、わたしは天竜人にされるがまま立たされた。

そして、部屋にあるとっても大きなベッドに投げられた。


「……うぅっ…」


ベッドが揺れ、さらに血が出てるというのもあって頭がぐらぐらする。
頭を抱え唸っていると、わたしの上に天竜人が跨った。

両頬を強い力で掴まれ顔を向けさせられる。二ィィと気持ち悪いくらいに口角が上がり、また手が振り下ろされた。


パチン!


綺麗な音が鳴り、わたしの左頬はジンジンと熱を持った。痛い。だけど、天竜人はわたしの顔を固定していて動かせない。また、手が上げられた。

わたしは目を閉じて痛みに耐えた。

何度も叩かれて、熱を増していく頬。もう気が済んだのか天竜人はわたしの顔から手を離したが、またすぐに髪を掴まれ身動きを取れないようにされた。

平手打ちのせいで真っ赤になっているわたしの頬に舌を滑らせ、時折歯を立てる。痛みに声を出すわたしに天竜人は舐める行為をやめなかった。


しばらくすると、手が離され、今度は服に手が掛けられた。


「いっ!いやぁっ!!」


手を出して止めようとすると、また平手打ちされ、わたしは抵抗をやめた。


「おねがいやめて……!」


するとその時、ドッゴーーン!と大きな音がして部屋が揺れた。



「なんだえ?」



天竜人も動きを止めた。

もしかして……、みんな……?
来てくれた…?


パッと表情を明るくさせたわたしを天竜人は見逃さず、今度は頭を殴られた。



「何が起こってても遊びはやめないえ!」


ビリリリリッ!!


わたしの服が破かれた。
下着が露わになり、わたしは顔を背けた。

もう嫌だ……。


天竜人が舌なめずりをし、わたしがギュッと目を閉じたその時、何かが壊される音がした。


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