世界は残酷だけど、いつもどこかに優しさを残してくれてる。
それは道端の花だったり、道路に残された子供の落書きだったり、日陰に置かれたベンチだったり。僕の思い込みでしかないかもしれないけれど、それでも欲しかったのは“最後を受け入れる勇気”だったんじゃないだろうか。決して、不幸な人生だったと思わぬような、そんな。小さな幸せをちゃんと感じていたんだと言う人生の満足と、勘違いした自己満足だ。
けれど、出会ってしまった。
「俺の世界は、黒の上に赤をのせた色」
真っ白のシーツが風に靡き、そして眩しく輝くそこで、トラを背負った彼に。
閃光
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