025
ナマエからしたらはじめて異世界で食した魚の旨さは物足りなかった。圧倒的塩加減が足りない!
今後最大の課題であるッ!!海水で塩分濃度がめっさ低いとはどういう了見だ責任者いるなら出てこいやと持てる総ての戦力投じて争いも辞さないとムキになる寸前だった。本気と書いてマジで!
炭火焼いただけの魚をそれはそれは美味しそうに食べてくれる民を前に。ナマエの怒髪天を衝く憤りは直ぐに鎮火した。
カーリィナの愛情料理がナマエにとって最後の砦であり癒しである。
「誇りに想うぞ我が娘!」
持っていた皿を滑り落とす。恐れ入りますの一言返礼し本当はせわしなく脈打つときめきに悶えるカーリィナは何事も無かったかのように<
修復魔法>で皿を新品同然に、朝食の後片付けに徹する。いつもナマエの記録を脳内に記憶留めている一人になれる夜に日誌と称してナマエメモリアルを自室にて厳重保管している物凄く大量に。
早朝 海へ連れて行ったフェリシアとセトラは、早くに起こしてしまったのだから午前中休むよう言付けした。マシュロも側付きに就かせ、精神的なつながりで寝ているのを感じたから母娘も床についた
エルキーは拠点に帰ってきてから居住する家屋に運び、そこにメイドの一体に看てもらうよう頼んだ──残された刻はながくないだろう
「貴女のせいじゃありません」
寝室を後にする、ドア取っ手に掛ける前に呼び止められ。寝たきりのエルキーはこう呟いた
「よい経験ができました。美しい海をあの親子と、何よりナマエ 貴女と見られたわたしはしあわせなビーストマンです」
「──そうか。ありがとう私もエルキーとゆっくり話せてよかった、」
夜を安心して眠れるようになった昨夜から。老いたこの身はすっかり衰えガタがきてしまった──絶えず気を張り詰めて精神力だけで保っていたに過ぎなかったんだ、
何時此の御方は気付かれたのか
「また‥‥話し相手に来てください。いつでも待ってます」
「そうしよう、メイドを付かせる。よく食べて休むこと いいね?」
「貴女も──」
一拍手してご馳走様を唱える、美味しかった。娘に最大限感謝を伝える
「よろしゅう御座いましたナマエ様」
「ぃよおっし!アレク待たせたな!手合せしに庭往くぞー!」
不機嫌真っ盛りだったアレクサンドルはぽかんと呆気取られ。椅子を倒し歓喜の雄叫び上げる
「〜ッよオっしャアアア!!」覚悟しやがれこの馬鹿大将!!!
「口に出てるわこんのかわいい息子ッ!どうだ勝った方のなんでも言うこと一つ聞くっていうのは!」
「
上等だ!俺が勝ったら二度ととんずらして先走るンじゃねエ!」
「いいだろう!大人しくすると肝に命じる!私が勝ったら言うこと絶対守れよ」
朝からハイテンション過ぎるこの親子、食堂にいる
魚人,
獣人たちは徐々に湧き立つ興奮に(この二人本当はどっちが強いんだ?)ワクワク期待でいっぱいに
「仕事せぃ!」しっかりしよる。ナマエの解散を合図に今日も亜人種たちは与えられているそれぞれの仕事に精を出す。
拠点の北西側だだっ広い草原の大地に。観戦あとにしごきが待ってる昨日つまみ食い制裁喰らった、ようやく朝食・絶品魚ご飯にありつけたアホの
獣人──虎男のゴルド。とベイそして審判としてウーノが、対峙する親子から距離あけて眺めて。観戦どころの騒ぎじゃない
「昨日のあれで終わりじゃないンすか‥‥っ!おれっち絶っ対え死ぬわコレ姐さんが言ってた朝日は拝めらンねぇマヂだった‥!うっうっううおおお」
「落ち着けッ!俺たちの明日はまだある諦めるな泣くなつられる!!」
(同情しますぞ‥‥‥)
絶望に蹲るゴルドの肩をばんばん叩き、奮い立たせようとベイも若干もらい泣きしてる。二匹からほんの少し離れてウーノは自分だけ安全な処遇に溜飲下りる。
「どしたんでぇ大将?ちっこいまま俺とやり合おうってギャグか」
「なに。少し試したいことがあってなぁ お前が私の本気出してくれたら大人に戻るさ」
「はァん──?じゃァ端っからマジだ」
時間が惜しいんだこっちは
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