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2

俺たちは学校に入学して初めて知り合った。
全寮制の男子校であるこの学校は、入学と同時に二人部屋に入れられる。そしてその部屋は正当な理由がない限り三年間変更されることがない。


「三年間よろしく。仲良くしようね」


そう言って入寮の時に人なつこい笑みを浮かべ手を差し出してくる涼介にいい奴そうでよかった、と笑みを返して握手をした。
実際、涼介はとてもいい奴で寮生活はとても快適なものだった。きさくで、優しくて、さり気なく気を使うのがうまい。
俺が涼介に対して恋心を抱くのに時間はかからなかった。

同室だし、告白をして気まずくなるのもこの関係がなくなるのもイヤでほんとはこの気持ちは押し殺すつもりだった。涼介はとても美形だし、俺は平凡だし。万が一にも受け入れてもらえることなどないだろうと思っていたし。
涼介はとても人気者で、いろんな子からしょっちゅう告白されていた。


でも、そのどれも受けたことはない。
『好きな子がいるから』
それを聞いたときは一人で部屋に閉じこもって一晩中泣いた。


せめて友人として、同室者としてでも側にいたい。
そう思っていたのに、あいつに好きな子がいると知ってもう無理だと思った。涼介にもし告白されたら断る奴なんていないだろう。そしたら、涼介はこの部屋に恋人をつれてくるかもしれない。
そんなのを三年間見せつけられるのは耐えられない。

俺は同室解消の方がましだと、玉砕することにした。

告白もせずに部屋移動の申請をしたら、涼介は傷つくだろう。でも俺が告白したら移動には何も文句はないはずだ。断られたら、『修復不可能な人間関係のため』と申請をだそう。

振られる気満々で涼介に告白したら、意外や意外。


「俺もずっと翔が好きだった」


心底嬉しそうな笑顔を見せて抱きしめてくれた。

一緒に生活していてどれだけ愛しく感じるようになったか、とか、ずっとどうやって落とそうと思っていたか、とかこくこくと話されて俺は嬉しさのあまりずっと泣きながら涼介にしがみついていた。

恋人同士になってからも、涼介はとても優しくて誠実で。お互い好きな気持ちを包み隠さずぶつけ合い幸せに暮らしていた。

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