×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -




にゃんこと夏祭り

「風紀副〜、いいじゃん。許してよ〜」
「だめです。」

間髪入れずに却下すると、ぷぅっと膨れてベッドの上で足をぱたぱたさせる。そんな高雅をじろりと睨んでやればびくりと肩を竦ませ、小さな声で顔を逸らしてぶつぶつと文句を言った。

高雅が先ほどから私に許可を貰おうとしているのは、夏祭りである。
ただ『行きたい』と言うのではない。友人に誘われたのでその友人と行くのを許してくれと言うのだ。

「恋人の浮気を堂々と見過ごすような真似をするわけがないでしょう」
「浮気って…!ただツレと祭り行くだけじゃん!風紀副心狭い!けち!」

ただでさえ生徒会の仕事がはかどらずイライラしていた私は、高雅の言葉にかちんときた。

書類に走らせていたペンを置き、机の引き出しを漁ってからベッドに腰掛ける高雅にゆっくりと近づく。

「な、なに…」
「…いいでしょう。どうぞお友達と行ってきてください。ただし」
「やっ、なに!?」

おもむろに高雅のズボンと下着をずり下げ、私は引き出しから取り出したローターをつぷりと高雅のアナルに差し入れてやった。

「やぁ…!り、りくっ…、――――っあ!」

そして高雅が突然の出来事に混乱している間にすばやくコードを太ももに巻きつけ、振動を微弱に合わせまた下着とズボンを元通りに戻してやった。

「それで行ってきてください。外したら…わかってますよね?」
「…っ!」

冷ややかに微笑むと、泣きそうに眉をハの字に下げている高雅を部屋から行ってらっしゃい、と追い出した。
扉をしめた後、しばらくしてドアスコープを覗くとそこに高雅の姿はなく。そんなに友人と祭りに行きたかったのかと、ショックを受けた。


それから30分、私はいらいらとしながらも押し付けられている生徒会の仕事を黙々と部屋で一人こなしていた。だが、思うようにペンが進まない。

先ほどは苛立ってあんなものを挿入したまま追い出したが、欲情している高雅はいつもとは違いとてつもないフェロモンをまき散らす。
もし、万が一、誰かにあの状態の高雅に冗談でも誰かが抱き付きでもしたら。


「――――っああ、もう!」


自分でそうしておきながら、そこまで考えていてもたってもいられなくなり、急いで部屋を出ようと扉を開け、駆け出そうとした所で廊下の向こうから何やら両手いっぱいに荷物を抱えながら壁にもたれつつフラフラとこちらに向かってくる高雅を見つけた。


「高雅!」


一歩踏みだそうとしてがくりと崩れ落ちそうになる高雅に慌てて駆け寄る。
体を支えた所で高雅がうつろな目をして見上げ、私を確認するとほっとしたように微笑んだ。

「りく、と」

私はすぐに高雅を抱き上げ部屋に戻り、ソファに高雅を下ろす。
高雅は真っ赤な顔をして震えながら両手いっぱいの荷物を私に向かって差し出した。

「はい、陸斗。お祭り、の、おみやげ…」

綿あめ、イカ焼き、リンゴ飴にミルク煎餅。
その他にも祭りの食べ物を出店全て回ったんじゃないかというほどの量をテーブルに並べていく。

「…りくと、おしごと、で、お祭り、…っ、行けなくて、悲しそうだった、から…。これで、ちょっとは…お祭り、行った気に、なれるよね…?」
「…高雅。あなた、友達と行くのを楽しみにしてたんじゃ…?」
「うん?おれ、あいつらがちょうど祭りに行くって言うから、なら一緒に行けば、陸斗にこれ買ってこれるかな、って…。これだけ、買いたかっただけだから、すぐ戻ってくるつもりだったし」



高雅の言葉に、息が詰まった。



夏祭りの開催されるこの日、私は先生の不備で一週間前に風紀に回ってくるはずだった生徒会からの仕事の書類を当日突然押し付けられたのだ。
明日までには風紀委員長に渡し、生徒会に戻さなくてはいけないものなので放課後からずっとそれに掛かり切りだった。

夏祭りに、私は高雅と行くつもりでいたのでものすごく落胆した。

『お祭り、行きたかったんですがね…』

とつぶやいた一言を、高雅は自分とではなく私が行きたがっていたと思ったのだろう。


「高雅…!」


私は思わず高雅をぎゅっと抱きしめた。高雅が、私の気持ちなど考えもしないで祭りに行きたいなどと言うのが悔しくて、悲しくて。きまぐれな高雅のことを、どこか自分の欲に忠実な人間なんだと思っていた。


ああ、私は今まで彼の何を見ていたんだろう。確かに彼はきまぐれだけれど、私と恋人になってからはふらふらと一人出歩くことなどなかったじゃないか。
今日の祭りだって、私にわざわざ許可をもらおうと話したじゃないか。

「高雅…、すみません。私、私は…」
「りく、、りくと…っ、ねが、は、離し、て…」
「離しません。私は、あなたの事を誤解していました。許してください…、あなたが、私より友人を選んだのだと…」

怒っているのだろうか。腕の中でもがき離れようとする高雅を離すまいと強く抱きしめる。すると、高雅は体を小刻みに震わせ小さく声を上げた。

「や、だめ、だめ…!いっ、イっちゃ…、から、…あ!…っあぁあ!」

突然、甘い声を上げたかと思うとびくんびくんと体を大きく痙攣させた。真っ赤な顔をして涙をため、はあはあと絶頂の余韻に息を荒げている。

「こう、が…?」
「ふ、うえ…!…っひ、っく…!りくとの、ばかあ…!だから、やだって…!」

嫌々と首を振る高雅に、ふと自分が祭りの前に高雅に何をしたのかを思い出す。そうだ。確か、高雅の中には…

「あっ、いや!」

私は高雅のズボンと下着をはぎ取り、大きく足を広げさせた。
白濁に濡れたペニスがゆるく勃ちあがり、ふるふると震えている。そして、その下にある蕾からは卑猥なピンク色のコードが濡れて光って伸びており、中からヴン、と小さな羽音が響いていた。
そのあまりに卑猥な光景に、自分がしたことの罪悪感よりもむちゃくちゃにしてやりたい欲望が先に立つ。私は濡れたペニスに指を絡ませ、くちゅくちゅと上下に扱いてやった。

「やっ、りく、陸斗…!」

急な刺激にびくんとのどを仰け反らせ、高雅が嫌々と首を振りペニスを握る私の手に自分の手を伸ばす。私はそれを見計らってますます扱く手を速めてやった。

「ふあっ、や、あぁ、いやあぁあ!」
「高雅。今日はすみませんでした。あなたの気持ちを知らなかったとはいえ、こんな中途半端な刺激でずっと苦しめて。お詫びに、今日はめちゃくちゃに感じさせてあげますからね。」
「ああ、ああんん!や、ひ…っ、ああぁああ!」

ぶしゅ、と白濁を飛ばす高雅のペニスをしつこくしつこく刺激してやる。
イってもイっても終わることのない快楽に高雅はただただ泣き叫んだ。


その後、と言っても夜中になってからなのだがとても幸せそうに祭りの食べ物を食べる私の横で、高雅はぐたりと横たわりながら恨みがましい目で私を見ていた。

[ 22/70 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]


top