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ここで押し倒してはいつもと同じだ!今日はあくまで紳士に、なんの為に社交マナーを学んだ桂!
ぐっと自分に活を入れ、にこりと小暮に微笑み、また手を取りその手にキスをする。
「今日は俺のために時間を取ってくれてありがとう。疲れてはいないかい?君のためにバラの湯も用意したんだ。ゆっくり浸かって、ゆっくりお休み…」
あくまで紳士的に、と小暮に接していたら、小暮が唇を噛んで俯いてしまった。
えっ!な、なみだ浮かべてますけど!なんで!?
「こ、小暮?」
おろおろと声をかけると、小暮は俯いたまま泣き出した。
「あ、綾小路…どうして?今日、なんかおかしい…。俺、俺と、さ、最後にするつもりなのか…?」
「なんで!?」
小暮の言葉に驚いてついいつもの素が出てしまった。
「だって、だって…、俺のこと、『君』なんて呼んで、な、なんだかよそよそしく振る舞うし、そ、それに…」
「それに?」
「…え、えっちしようとしてくれないから…」
真っ赤になってぽつりと言った小暮に、一気に息子が天を向く。
「鉄男っ!!」
「!!」
俺は小暮にがばりと飛びつき、ソファに押し倒した。
「ああもう、バカ!せっかく、せっかく紳士的にスマートに小暮を最後までエスコートするつもりだったのに!えっちしようとしたかったよ!見ろ、この息子を!」
「やっ、あ!」
がちがちに勃起した息子を、小暮の股間にごりごりと押しつけてやる。
「ほらほら、わかる?小暮のせいでこんなんなるの!がっちがちだろ?ほらほら!」
「あっ、あっ、んん!や、やああ!」
真っ赤になって首を振る小暮がかわいくて調子に乗って突き上げるように擦り付けると、小暮のチンポも勃起したのがわかる。このままイかせてやろうかな。
はっ!いかんいかん、それじゃまたいつもの二の舞だ!ふと我に返り、腰の動きを止める。小暮が、快感にトロンとした目を向けてきた。
「あやのこうじ…?」
「…ごめん、今日はえっちなしでカッコ良く決めようと思ってたのに…」
ああ、俺ってだめなやつ。
「…役員の奴らに言われたんだ、いつもえっちばかりで小暮がかわいそうだって。だから、今日くらいは紳士的に、えっちなしで小暮をカッコ良くエスコートして惚れ直してもらうつもりだったのに…」
しゅんとしてうなだれながら告白する。
「…でもだめだ…、やっぱ俺、小暮が好きだから。一緒にいるとお前がかわいくてたまらなくなってどうしてもヤりたくなっちまう。ごめんな、こんな下半身バカで…」
ますます落ち込んでしまった俺に、小暮が腕を回してきた。
「…よかった…、飽きられたとかじゃなくて…。」
「小暮…」
「…今日、いつもと態度が違ったから、もしかして最後の思い出にってこんな風にしてるのかと思った。
…え、えっちばかりだって、いやじゃないよ。だ、だって、綾小路が俺をそれだけ欲しいと思ってくれてるってことだから。…お、俺だって、綾小路が欲しいから…」
「――――鉄男っ!」
真っ赤になって震えながら言う小暮に、完璧に理性が吹き飛んだ。紳士がなんぼのもんじゃい!
「会長、こぐちゃんにちゃんと紳士的にお返ししたの〜?」
次の日、上村がにやにやしながら聞いてきた。
「―――ああ、したぞ。ミルクをたっぷりプレゼントしてやった。あくまで紳士的にな。」
ニヤリと笑って返した俺に、役員たちがあきれた目を向けてきたのは言うまでもない。
happy whiteday!
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