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「はっ、…、は…!あぅ、ああ、あ…」
二本、三本と指を増やし、ぐちぐちと出し入れを繰り返す。
幸人様は涙やら涎やらで顔がぐしゃぐしゃだ。
…そんな顔も、かわいいと思う俺は相当幸人様にイカレてる。
ふ、と自嘲気味に笑い、服を脱いで散々見せつけられた幸人様の痴態にギンギンになった息子を取り出す。
く、と入口に押し当てると、幸人様がびくりと体を竦ませた。
「…怖い、ですか?やめましょうか…?」
無理はしてほしくなくて問いかけると、俺の首にしがみつきふるふると首を振った。
「…してくれ。お前のものに、なりたい…」
なんて殺し文句。
しがみつく幸人様にキスをして、ゆっくりと腰を進めた。
ず、と肉を割って楔を進ませる。
「う、ああ…!」
だいぶ慣らしたとはいえ、やはりキツイのだろう。
ずるずると割入る熱い楔に、幸人様は俺の背中に爪を立てる。
それでもゆっくりと全てを収めきった。
はあ、と息を吐き、慣れるまで落ち着こうと幸人様の頭をなでる。
「きつく、ないですか…。大丈夫…?」
俺の問いかけに真っ赤な顔でこくりと頷き、柔らかにほほ笑む。
「正明、が、ここに…。うれ、し…」
そう言って幸せそうにお腹をなでる幸人様に、胸がぎゅうっと苦しくなった。
「…動きますよ…」
「う、あ…!」
幸人様の答えを待たずに、ゆるゆると腰を動かし始める。
ゆっくりと行われる出し入れに、幸人様が喉を反らして喘いだ。
律動を、徐々に激しくしていく。
水音が室内に響くころには、俺はもう加減なんてできなくてがむしゃらに腰を打ちつけた。
「幸人様っ…、幸人…!」
揺さぶりながら何度も何度も幸人様の名を呼ぶ。
「あっ、まさ、正明…!好き…、好きだ…!」
喘ぎ、涙を流しながら俺の名を呼び
『好きだ』
と繰り返す。
そんな幸人様が、愛しくて。
「俺も、好きです…!愛してます…!」
「…っ、正明…あ…!!」
俺の口から出た告白に一瞬目を大きく開いたかと思うと、
幸人様はくしゃりと顔を歪めぼろぼろと涙を流しながらより強くしがみついた。
近かった雷鳴が遠くに聞こえる。
俺と幸人様は外の嵐のように激しく何度も抱き合った。
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