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注※今回の章には、虐待や暴力など残酷な描写を含みます。文中には人の死なども出てまいりますので苦手な方はご遠慮ください。また、作中にある内容は全て架空のお話ですので『現実ではそんなことはありえない』等の投書もおやめください。
この注意文を読まれずにこの先を読まれました後の苦情等は一切受け付けませんのでご理解くださいませ。
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幸人様は一言も話すことなく自分の部屋に入り、寝室の扉を開ける。
「きゃっ!」
そこには、今日のお相手がすでに裸で待機していた。
突如現れた俺を見て、慌ててシーツを被る。
その子を見たとたん、自分の体が小刻みに震えるのがわかった。
…今日は、男の子ではない。
少し年上の、大人の女性だった。
「もう、幸人!なんなの?」
媚を含んだ甘ったるい声が響く。
「来い」
幸人様が硬直する俺を見てにやりと笑い、腕を引いて無理やり女の近くに行かせた。
女は上目づかいで俺を見る。
その目には、明らかに色を含んでいて。
「今からこいつを抱く。そこで見ていろ、命令だ」
幸人様が、俺に命令した。
途端に女は嫌そうなそぶりを見せながらも舌なめずりをする。
…やめろ。
見るな。
がたがたと体が震えだす。
にやついて俺を見ていた幸人様が、いつもと違う俺の様子に気が付いたのか笑みを消して俺の顔を覗き込んだ。
「…堂島…?」
同時に、ベッドにいた女も体を起こして俺を見る。
「どうしたの?童貞君なの?
大丈夫よ、お姉さんが教えてあげる…」
女が甘ったるい声を出してベッドから身を乗り出して俺に触れた。はらりと、まとっていたシーツが落ちてその裸体が露わとなる。
「…!」
一糸まとわぬ裸体を目にした瞬間、俺をひどい吐き気が襲った。
「ぐう…っ!」
「きゃっ!な、なに!?」
女の手を振り払い、洗面所に駆け込む。
「げえ…っ!う、おぇ…っ」
胃液しか出ないのに、込みあがる吐き気が止まらず何度も何度も嘔吐を繰り返す。
「堂島っ!?おい、堂島…!」
幸人様が俺を呼ぶのが聞こえたが、俺は返事をする前に意識を失ってしまった。
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