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3

「誠二と別れてください」


誠二の両親が、俺の部屋にきたのだ。
その時に初めて知ったのだが、誠二の家は代々続く資産家で。誠二はそこの長男だった。
最近親に内緒で付き合っている人間がいると言うことで、興信所を使って調べたら俺だったと。


「あの子は中川家を継ぐ大事な身なんです。然るべき家柄のお嬢様を娶って跡継ぎを作ってもらわなければ困るんです。婚約者候補もいるんです」

知らなかった。誠二は、家のことは詳しく教えてくれなかったから。
さんざん罵倒されて、手切れ金を渡されたけどそれだけは頑として受け取らなかった。



その夜、俺は誠二を呼び出した。誠二は、俺の部屋に入るなり嬉しそうに抱きしめた。
俺は、その手をそっと外す。

「光彦?」

不思議そうに誠二が俺を見つめる。
ごめん、誠二。これから俺はお前を傷つける。


「あのさ、やっぱ俺お前と合わないわ。」


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